昼飯も食えずに仕事をし、夜はらぺこになって帰ってきた。
家に入るとテレビでラーメン特集なんぞやっている。
もうたまらん。
「嫁、ラーメン食べに行かない?」
「えっ。今から?」
これから嫁が夕食を用意するまで待ちきれない。
嫁も娘・Rが産まれてからというもの外でラーメンを
食べていない。
「外食したい…ラーメン食べたい…」
と、近頃呪われたように言い続けていたので
ここはひとつRを連れて初めてのラーメン屋に
チャレンジしようではないか!
そんなわけで近所のわりかしうまいラーメン屋に
行くことになった。
Rに抱っこ紐をくくりつけ僕が抱えて歩いていく。
食べる時はおんぶにするのだ。
道すがら、抱き合っている2人がいた。
んまっ。クリスマスも終わったのにお熱いことで…とよく見たら
男同士だった。
そういやこの通りにはオカマバーがあるんだったな、と思った。
ゲイなのか…酔っ払いなのか…と嫁と囁きながら
足早に通り過ぎた。
さて、オカマバー、じゃなかったラーメン屋に入っても
Rは泣きもせずキョロキョロとしているだけで安心した。
「久しぶりだよね」
と嫁に言う。
「でもあなたはこないだ津軽じょんがらラーメン(仮名)を
食べたんでしょう」
嫁にちくりと返される。胸が痛いのはRのおんぶ紐が
締め付けるせいなのか嫁の皮肉のせいなのか。
腹が減ってしょうがなかったので出された途端に
ずばばばとRを背負いながらラーメンをすする僕。
嫁は嫁で「ひさしぶりぃぃぃ」「うまぁぁぁい」と
感動しながら食べている。
…これってひょっとしたらものすごい貧乏で
苦労している夫婦に映ったかもしれない。
とにかくRを連れて初めてのラーメンはおいしかったし、
これで他の店にも行く勇気も出来た。
満足して店を出ると、抱擁中の男達はまだいた。
よく見たら3人で抱き合っていた。
…増えてるし。
この人たちはこれから
とんこつザーメンを…
そう思ってしまった自分が嫌になった。
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