「あー、かじりん君ちょっと来たまえ」
仕事中、部長からお呼びがかかった。さては遂に辺境の地、
ミミズが丘営業所あたりに飛ばされる時が来たか、と
動揺しながら部長席に赴いたら
「君の子供のRちゃんの写真、撮ってきてくれない?」
とのことだった。なんじゃそりゃ。聞くところによると、
「東北営業所の女の子がね、子供が生まれてね、
かわいいでしょーって写真をメールで送ってきたのよ。
僕としては彼女に何とか対抗したいんだけど、
ウチの部署で最近赤ちゃんが生まれたといえば
かじりん君のRちゃんしかいないから頼むよ」
とのことだった。
要するに部長の社内メル友とのやりとりに
ウチの娘をダシに使うのかい!と思いつつも
上司の言うことは絶対であるので部長が
「郵便ポストは白いねえ」
と言えば
「おっしゃるとおり、女子高生のパンツのように
一点の汚れもなき白にてございます」
と相槌を打たねばならないのがサラリーマン社会である。
なのでしぶしぶ承諾した。
しぶしぶではあるけれども僕も人の親であり、どうせ送るなら
とびきり可愛い写真を撮ったるわ!と娘・Rをバシバシ激写。
その中で選りすぐりの2枚を翌日部長に渡した。部長は
「うんうん。可愛いじゃん。誰に似たの?」
などとさりげなくガックリするようなことを言いつつ
トーホグ営業所の女の子とやらにメールで送った。
しばらくしてそれを見たトーホグ女の子から返事が来て
「勝った!『Rちゃんの方が可愛いです』だってアハハ」
とのお言葉をいただいた。そりゃそうだろう。
まさか部長に向かって「ウチの子のほうが可愛いです!」
なんて反論などできない。たとえ本心でそう思っても
上司の言うことは絶対であるので部長が
「カラスは白いねえ」
と言えば
「おっしゃるとおり、燃え尽きた矢吹ジョーのように
真っ白にてございます」
と相槌を打たねばならないのがサラリーマン社会である。なので僕も
「恐れ入りますあはは」
と無難に親バカ全開リアクションをしといた。
気の毒なのはトーホグ女の子である。
彼女も赤ちゃん生まれたての親。
我が子可愛さは僕と同じであろう。
内心悔しがってるんじゃないだろうか。まあ
泣く子と部長には勝てない、ということでひとつ。
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