見知らぬアドレスからケータイにメールが届いていた。
カズキ君(僕の本名だ!)へ。元気?
暑いよね!体に気をつけてがんばってね(ハートマーク)
…あんた誰。いきなりこの馴れ馴れしさは何だろう。
僕の本名が書いてあることからスパムではないようだし
文章と「takakoなんたらかんたら@ドコモ」というアドレスから察するに
送り主は女性であると思われる。
ひょっとして僕を密かに慕っている女性とか。
ああっいけませんお嬢さん。
僕には嫁と妻と女房と子供と娘が。
いや、待て。これは大変危険なことである。
嫁にこんなメール覗かれたら
ケータイごとトイレに捨てられる。
「誰よこの女ー!」
「僕だって知らねーよ!」
なんてことじゃ話にならないだろう。
ともかくこの女性の素性を明らかにせねばなるまい。
takako、タカコさん…知り合いにいるかどうか記憶を探ってみる。
あ、いた!
タカコさん(59才)
か…母…さ…ん。
そういえば最近ケータイメールデビューした母。
先月ウチに来た時にせがまれたので
僕のアドレスを打ち込んでおいたのだった。
母さん、来年60なのにハートマークはヤメテー!
あなたの愛は形に現さずとも充分伝わっております!
カズキ、カンゲキー!
母は、カンレキー!
アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。