銀の鎧細工通信
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2004年11月08日(月) 躍動/厄動(ロイアル)


移動中の車から子どもを見た。
14,5歳のまだ体も出来上がっていない、けれど
日々成長している若木のような力の躍動を
これ見よがしに発散する子どもを。
その子どもは数人で笑いながら駆けて、
互いを小突きあいながら路地裏へと走っていった。

一瞬の出来事。


職場で子どもを見た。
14,5の癖に、未完成の骨格の上に完璧な筋肉をのせて、
実戦と現実に適応可能な、それこそ不摂生極まる我々大人の
身体よりもはるかに緊張感を漂わせる身体。
顔もまだ子どもなのに、目だけが修羅場を潜り抜けてきた老人のような
鈍く底冷えする光を放つ。

もう一人は、子どもという外見ではない。
不似合いな鎧姿から発する変声期前の高い声と、
はるかに鎧より小さな子どもを兄と呼ぶことで、彼が子どもなのだと
気付かされる。
最も、私自身は彼らの「機密」を知っているので言わずもがなだ。

鎧の中から鬼火のような光だけがぼうと光る。
そんな光、人間の子どもが放つものではないだろう。
あれはこの世のものですらない。

けれど、車の窓ガラスごしに見る通りすがりの子どもより、
私には近しい光だ。
私には見慣れた光だ。
焼き捨てた死体が放つ燐光のような光。
笑が漏れる。

未完と完成の不調和。
その違和感が大人を戸惑わせる、避けさせる。
彼らは何処にも受け入れられない、どのカテゴリにも
許容されない。
ただそれでも傲然と横行する。


鎧の身体に躍動はない。
しなる腕跳ぶ足、健やかなる成長の煌き。
ただ不穏な機械の匂いと威圧の容貌。
そこから救援信号のように眼だけが悲しく不吉にぼやりと灯る。
それこそが真実だろう。
子どもが希望だなんて欺瞞よりも真実だろう。
彼らが大多数の子どもより実際的な被害を招く災厄の種であるという
ことを除いては。


ロイは笑がこらえきれなくなった。
一人自室で笑う。

「災いってのは暗躍するものなのだがね」


驕慢に傲然と、轟然と、走れ。
異質な子どもたち。厄動する兄弟。でも二人、繋いだ手は離さない。
そこにだけ、躍動の可能性を、見ているのだろうか。




END


鋼2連続!うれしい。







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