夢を見た。 朝と昼は横になって過ごし、夜のみ起き上がってPCに向かう。 眠るときは、睡眠剤をのんで。 そういう生活だからか、よく、昼間の間は悪夢を見る。
決まって、叫んでも声はでない。 かすれた、声にならない声。
ただの悪夢ならいい。 だが、今回は違った。
しばらくの間、忘れていたものが凝縮されたような、ものだった。
覚えているのは、最初、創作劇を間近でみていたこと。 小さな教室のようなところで、舞台といっても、腰掛ければ少し足が離れる程度の高さの。 そこで、長い語りと、合間に入る効果音の仕組みに興味をとられて、みていた。
いつのまにか、劇を見ているものはいなくなって、自分も舞台から降りた。
下にあるのは、座食用のテーブルと座布団、おもいおもいに座る人。 何人か、過去にあった事のある人の顔が見える。 あいている席は殆どない。 ようやっと空いている席をみつけ、隣の人に声をかける。 「ここ、いいですか?」 「誰もこないですか?」 応えはなかった。
そこからまた場面は飛ぶ。
テーブルで、お茶が汲まれている。 冷茶だったので、温かいお茶がいいと、瓶となぜか急須をもっていく。 向かった先には、保温瓶と、水道の熱湯の蛇口。 「たぶんこっち」 よく話していたと記憶していた人に声をかけたが、反応はなかった。 しようがないので、保温瓶の方へいった。 そこで夢特有の、わけのわからない展開。 瓶に湯をいれていたり、急須にいれたり、コップにいれたり。 そばには、たぶん、上の年の先輩がいた。
それから、もどったらまた様子は激変していた。 テーブルは横一列に並び、教室のようになっていた。 席毎に、名前を書いた札がある。 いつのまにか、手にあった瓶は消えていた。 札を探す。 ない、ない、どこにもない。 「どういうふうに座っているのか?」 と聞いたら、 「好きなように」 と返された。 自分の名を書いた札はみつからない。
そしてまた画面は飛んだ。
その席の合間を縫って、人の行列ができていた。 顔を知っていた人と眼があって、手を振りあう。 「劇は大成功だったよ!」 そういっていた。 そして、その数人の劇団員をかわぎりに、長い列の人は順に 教師に問われ、平手で叩かれて、教室の外に出ていった。 なぜかわからず、そして、 なぜか示された、近場の席に腰をおろして、寄ってきた教師に聞いた。 「これはなんなのか」と。 「○○君を〜〜してた者達だ」 〜〜は、たぶん、無視とかいじめとかそういう意味の単語だったろう。 「○○君の名前さえしりません」 そう応えた。
わけがわからなくなって、廊下に出た。 ふらふらとしていたら、廊下のどん詰まりの教室の前に、机(いわゆる学校机だ)と椅子をおいて、待っている人がいる。 なぜか教室にはガラスのウィンドウがあって(つまり、中は覗けない)、 そこに論題が張られていた。
「1年○○○○〜」 「〜〜〜〜〜〜〜」 縦書きの習字のように、かかれて張られた論題。 それは、自分の名前だった。
中に入ったら、人は一杯だった。 教師は人の良さそうな顔で、笑っていた。 そこにくいついて、叫んだ。 「こんなことは望んでいない」 「今まで通りで、よかったのに」 「何故こんな事をする、1年どころか、学校全体に知られてしまった」 叫び声はやはり声にはならず、かすれていた。
そこで眼が覚めた。
集団が怖い。 「好きなもの同士組んで」この言葉が、嫌いだ。 行事毎に、班分けするのも嫌いだった。 大学に行ってからも、1人にならないように、必死だった。 その必要が無くなったら、ずっと1人でいた。
しばらく、そのことを、忘れていた。
夢は残酷だ。 忘れていたことを、思い出させる。
そういえば、職場の飲み会でも、どこに座ればいいか、頭がいたかった。 今は結婚して子供もいる先輩が、横にいてくれたから、私は安心していられたのだった。
誰を信用すればいいのか、わからなくなった。 自分が生きていて良いのか、わからなくなった。 いっそいなくなったほうが良いのかもしれない。 けれど、自殺だけは、だめだと遠い昔に誓ったから、これは譲れない。 では、どうすれば?
どうすれば、自分は誰かの一番になれるのだろう…
|