人生事件  −日々是ストレス:とりとめのない話  【文体が定まっていないのはご愛嬌ということで】

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2007年03月26日(月) さよならの意味をわかっていないとわかっていても

ゆっくりと。

成長すれば当たり前にできるだろうと思っていたことが、実はいつまでたってもできないまま、ということに気づいたときの衝撃。呪文のように、「経験が少ないから」「遅いんだからしょうがない」と自分に言い聞かせ、言い聞かせ…。

「行ってきます」といつもどおり、何も期待せずに出勤しようとした私に、リビングからたたた、とスティックパンを片手に走ってきた小さな生き物が、「バ、バーイ」と笑顔で小さく手を振った。

きっと明日はできないと思う。これが毎日ずっとできるだなんて期待はしない。1歳半になって、ようやく、何となくバイバイの真似ができるようになった。手遊びのどんぐりころころも糸巻きも、乳児期から、やって見せれば喜ぶけれど、自分で仕草を真似ようとはしない、バイバイだけが、最近になって、場面が違うところで、できるようになった、我が家の小さな生き物。

タイミングがよくて、発達が順調な波に乗ったような気がして、うれしくて、電車の中で、涙が出た。

あなたがいなければ、成長のひとつに涙が出るほど喜ぶなんてこと、なかった。


佐々木奎佐 |手紙はこちら ||日常茶話 2023/1/2




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