人生事件  −日々是ストレス:とりとめのない話  【文体が定まっていないのはご愛嬌ということで】

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2004年10月20日(水) 四角い箱の中から見ているだけの、冷たい人たち

もしも自分だったら、と思ったらいても立ってもいられない。

精神疾患を抱えながら生活する人は少なくない。患者調査の中でも、傷病による受診・入院した者の中で、精神及び行動の障害の者が一番多い。多いのだ。

夜、住んでいるマンションの外を、ぐるぐると歩きまわる女性が出現した。冷たい雨の夜、傘を差し、ひたすら声を上げて歩く。「おとうさーん」「寒いよー」「誰か助けてー」。悲痛な声で、叫んでいるのが聞こえた。

ベランダから下を覗く。彼女の姿を確認し、視線を上げる。周りのマンションのいくつかの窓が開いているのが見えた。暖かそうな部屋の明かりの中で黒い人影が動く。彼女のことを見てる。なのに、誰も何もしない。

精神疾患だろうなあと、思いながら恋人に警察に通報してもいいか問う。恋人は、素直に渋い顔をした。私は「ごめんね」と言いながら通報した。彼女の声を認めてから、15分後に。私が通報者第一人目だった。5分後に、彼女の声が止んだ。

面倒なことには関わりたくないと、そう思うのが人間なんだろう。悪意はない。そんなこと、分かってる。恋人の感情を、責めたりはしない。私と同じ職に就いている同僚だって、「私なら連絡しない。見てるだけ」と言うのだから。

だけど、私は放っておけないのだ。


佐々木奎佐 |手紙はこちら ||日常茶話 2023/1/2




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