人生事件
−日々是ストレス:とりとめのない話 【文体が定まっていないのはご愛嬌ということで】 日記一覧|past|will
分かる人ほど負担がかかるのならば、分かっていても分からないふりをするのは処世術のひとつなのかもしれない。 そんな総合病院に嫌気が差して、個人院を開いて外来と往診をしている医師が私の受け持ち地区にふたりいる。内科と精神科。一番人々の生活に密着した専門を持っている人たちだ。精神科は、痴呆も扱っているし、45人に1人は精神疾患を持っていて、15人に1人はうつ病、生涯5人に1人精神疾患に罹患する、といわれているこの世の中で、なくてはならない科だ。 自分の目指す"医師"として働きたかったふたりは、滞納で健康保険証が切れていてもこのままでは放っておけないからしばらくは無料で診るから手続きは保健師のほうで関わってくれと言ってくれたり、診察代と薬代をひねり出すのが精一杯な人だからと言えば近くの人の往診時に寄ってくれたりする。お金にならない仕事が多くても、懸命に関わってくれる。 総合病院を飛び出したふたりの医師のようになれとは言わない。だけど、患者というのは"病気を持った生活人"ということを特に地域のことを忘れがちな病院という箱の中で生きる医療従事者には忘れてほしくないのだ。病院から一歩出れば、その人はただの人なのだ。病気にしか興味のない医師や看護師を止めるだけの知識のある誰かの少なさに、時々涙が出る。 そして、「そういう人材がいないのであれば育てればいい」ということを思いついたのは、つい先日のこと。計画はこれから。 いっそ、教育現場に行くことも考えていこうか。
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