人生事件  −日々是ストレス:とりとめのない話  【文体が定まっていないのはご愛嬌ということで】

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2004年05月28日(金) 終わりまでの距離

簡単に妊娠していいものではない。

生命というものには死が付きまとう。死産も流産も、病死も事故死も、自然死も。気にせずに生きていても、どこかにそれらは必ず潜んでいて、それが露わになったとき、人は見えない対象、存在がなくなる恐怖に慄く。

生れ落ちたばかりの命が、限りある命と分かっている。だけど、その命尽きるテープの位置を、長く生きてもここまででしょう、とはっきり言われるときの気持ちといったら。

死産を経験し、片手の指の数の年も生きられなかった重い病気を抱えた児を看取り、それでもなお貪欲に子どもを欲した若い家族がいた。今度生まれた児は、健康優良児で。

つわりがこんなに軽かったのは初めてなんです。胎動を感じたのは初めてなんです。あかちゃんがおっぱいを吸う力が強いと感じたのは初めてなんです。日に日に身体が重くなるのを感じたのは初めてなんです。

嬉しそうに笑む母の、そのことばひとつひとつが、ずしりと胸に落ちた。


佐々木奎佐 |手紙はこちら ||日常茶話 2023/1/2




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