 |
 |
■■■
■■
■ 物書き志望ブーム
とでも言ったら良いんでしょうか。
出版業界に就職した先輩が言ってました。 「最近は自分が書いたものを とにかく人に読んでもらいたいって人が 多くて、しかもそのレベルが低くて、 業界の方じゃあまり相手にしてないんだよ。」 「小説って言うよりもなんか内容のない 【俺のこと知って。知って。】って感じの文章ばかりでさ」
「多分、あんまり本を読んだことがないんだよ。 ドラマとか漫画とかの安易な、凡庸な話の中だけで 育ってきてるから、そんなレベルの発想しか出てこない。」 「ここでこんな風にすると【ドラマ的】、【感動的】 そんな感じの型にはまった展開ばかりで、 みんな必ず同じような流れの話になるんだよね。」
先輩も僕も本が好きである。 先輩が学校にいた頃は 僕もその、「文学青年」の本性を丸出しにして 文学談義に興じていたものだった。
太宰、鴎外、田中英光、中原中也、宮沢賢治、芥川、鏡花、 梶井基次郎、嘉村磯多、北村透谷、菊池寛、志賀直哉、 葛西善蔵、横光利一、大岡昇平、有島武郎、坂口安吾、 田山花袋、井伏鱒二、石川淳、三島由紀夫、織田作之助・・・
もちろん僕も彼も、全員の全作品を読んだわけじゃない。 そしてもちろん全員がお気に入りって訳じゃない。 特に当時、僕は完璧な太宰病患者であったから、太宰病患者と 小林秀雄病患者に特有の「これだけが良くて他はダメ。」 と言う強い贔屓があって、先輩には多少話し辛い思いを させたかも知れない・・・。 けれども覚えている日本人だけでも、これだけの名前が 僕らの会話には出てきた。他にもチェホフやらプーシキンやら、 ドストエフスキー、トルストイ・・・。
別に読書量を誇っているわけじゃない。 むしろ、今の世の中そんなに小説ばかり読んでいるのは 人から見ればマイナス要素だと思う。 けれども、せめて小説家を志望するなら、 小説を読んで欲しいと思う。 いや、小説を好きであって欲しいと思う。 考えてみれば当たり前の話だと思うけれど。
2003年11月19日(水)
|
|
 |