一度だけの人生に
ひろ



 親類

家族、親類というものは
やはり侮り難く、時々ビックリするような
的を得たことを言ったりするものです。

今回の帰省は
姉の結婚式があったので、
親戚一同が久しぶりに勢揃いしました。

結婚式場から帰るバスの中、
僕の親父の弟、「5歳まで」に出てくる
あの叔父ですが、その人が酔っぱらって、
僕の隣りに座り、僕に
説教を始めたのでした。
それは30歳くらいの男なら
誰しもが言いそうな、どこかで聞いたような
苦労人の説教でした。
僕は、ニヤニヤ笑いながら、
「うん、そうだね。」とか
「ふーん」とか「いやぁ」とか適当な
相づちでごまかしていたのですが・・・。
すると叔父は
「お前は昔から口数の少ない奴だったが、
ますます何も言わなくなったな。
本当のことを言え。言っても良いんだ。
本音を言えば良いんだ。」
と僕に詰め寄りました。
僕は内心驚きながら、それでもニヤニヤと
「そんなことないよ」とか言っていました。

バスが、僕らの宿泊する地元の温泉に着き、
親類だけの宴会が始まりました。
するとその叔父が、僕の方を指さして、
「こいつだ。こいつ!」と叔父の奥さんである
叔母さんに語っていました。
「こいつは何も本当のことを言わない。
いくら語って聞かせても、う〜んとか
ふ〜んとか、はぐらかすばかりで、
ほんのちょっとも
自分の思っていることを言わないんだ。
こんなことではダメだ。」と。

昔はともかく、今は僕はあまり
この叔父を好きではないし、
尊敬もしていない。はったりばかりで、
自尊心の塊のような性格だからです。
この時、叔父に何も言わなかったのも、
この叔父の性格から推定すれば、
どうせ何を言ったところで、
叔父の自己満足な説教のネタになるだけで、
つまらないと思ったからです。

しかし、叔父が、
僕が適当なことばっかり言っていて、
ちっとも本音を言っていないことを
察知したことが僕には大変意外でした。
また、昔からそう言う子どもだったと言うことを
知っていたと言うことも意外でした。

やはり肉親、親戚というものは
騙そうと思っても騙しきることの出来ない
何かがあるのかもしれないと感じました。

また、それこそ十年振りくらいに
会った従姉妹達全員に
「ひろおってこんなに静かな奴だったっけか?」
「大人しいなぁ」「お前は一体誰に似たんだ?」
と言われたことに、
小学生の頃の自分と今の自分の、
性格の明らかな違いを、改めて分かり、
悲しく、苦しくなりました。


2003年03月24日(月)
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