| 2008年11月10日(月) |
戦力を奪う読売野球の限界 |
西武と読売の日本シリーズは西武が4−3で読売を退け、日本一となった。対照的なチームである。読売はFA制度を利用して各チームから主力を引き抜いた金満チーム。リーグ制覇も横浜、ヤクルトからがっぽり星を稼いで成し遂げたもの。ヤクルトからはラミレス(4番)、クライジンガー(エース)を引き抜き、横浜からはクルーン(クローザー)を引き抜いた。飛車角を奪われたヤクルト、角を抜かれた横浜が読売に勝てるわけもなく、両チームは読売に大差で負け越し、読売の逆転優勝に大いに貢献した。
そんなセリーグの優勝だから、読売の大逆転にも世間は盛り上がらなかった。北京五輪で星野アホ代表監督が阪神の故障主力選手を起用し続けなければ、阪神の楽勝だった。読売は、星野アホ代表監督にも助けられたわけで、ツキはあった。
昨シーズン、読売はパリーグの主力である小笠原(日ハム)、イ(ロッテ)、谷(オリックス)を獲得。そして、今年はさらにラミレスまで加えた。パリーグならば、まちがいなく2チーム分の戦力を備えている。
一方の西武は、主力といわれても名前の知らない選手ばかり。しかも若い。FAというと、MLBから戻った石井くらいか。それでも、読売よりはるかにいいチームだ。結束力もある。走攻守のバランスがいい。投手もいきのいい選手がそろっている。
読売の若手は明らかに伸び悩んでいる、というか、資質に乏しい。読売が才能のある選手を集め、育てるシステムをつくらなければ、この先も日本一は無理だろうし、日本球界のレベルアップにならない。読売が優勝できるのは、自軍の戦力を上げるというよりも、相手の戦力をカネで奪う、という関係性の結果にすぎない。読売が相手チームから戦力を奪うという戦略を続ける限り、日本の野球はレベル低下を続け、ファンから見放される。
勝てばファンがついてくる、という読売首脳陣の古い職業野球の観念が、日本の野球をダメにする。
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