サッカー五輪日本代表が2連敗し、予選リーグ敗退が決まった。米国戦、ナイジェリア戦を見れば、素人でもわかることだが、世界とのあまりにも大きな差。OA枠を使っても使わなくても関係のない差だった。ゴール前のパワー、スピード、競り合い、スタミナ、試合運び・・・すべてにわたって感じられる力量の差だ。
日本サッカー界がこの明らかな差をきっちりと認識したうえで、この先世界と相渉ろうとするならば、いかなる質を追及したらいいのか。これは五輪世代だけではなく、日本サッカー界全体の問題である。
筆者が提案したいのは、まずもって、日本ホームの親善試合をすべて禁止する。今後、代表の対外試合は、すべてアウエーに限ることとする。その理由は(筆者が何度も当コラムで書いてきたとおり)、日本代表が親善試合で海外代表に勝つことによって、日本の世論が日本代表の実力を誤認するからである。アジアでは何とか、大会の出場権をとることができる日本代表だが、世界レベルに及ばない。この差を国民レベルで認識すれば、代表に求めるものも変わってくる。もちろん、キリン杯、キリンチャレンジカップは廃止する。代表人気で稼ぐという、日本サッカー協会の構造を改善する。
次に代表のTV中継を規制する。もちろん試合を中継すことはかまわないが、以下の者の中継出演を禁止する。(1)騒々しいタレント等、(2)応援団的解説者、ゴマすりコメンテーター、元Jリーグ監督経験者、(3)絶叫型アナウンサー等。
第三には、Jリーグ改革と関連するが、Jリーグの審判団に海外の国際審判を半数以上入れること。審判の判定を審査する委員会に権限を持たせ、機能させること。
第四に、現状の日本サッカーのレベルを知れば、その後進性も明らかであることから、五輪代表、フル代表を問わず、指導者には海外の優秀な頭脳を移入すること。
第五に、クラブ強化のため、強力なクラブスポンサーを探すこと。サッカーを強くし、国民レベルに浸透するのは、各地域に強力なクラブをつくるしかない。何度も繰り返すが、クラブから乖離した代表人気は砂上の楼閣なのだ。
代表の弱さについては、何度も当コラムで書いてきたこと。日本のサッカー関係者、スポーツジャーナリストには、その危機感がないのだろうか。
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