サッカー五輪日本代表が初戦の米国戦に0−1で敗れた。後半は日本がボールをキープし米国を押し込んでチャンスをつくったが、得点に至らなかった。勝敗は仕方がないが、筆者が気に入らない点は、五輪代表選手のひ弱さだ。とりわけ、攻撃に絡んだ選手が米国DFと競り合いながら、ヴァイタルエリア、ペナルティーエリアで倒され、むざむざチャンスをつぶした。Jリーグを見慣れた日本のサッカーファンは、主審の笛が間違っていると思ったかもしれないし、選手達も何でファウルをとってくれないのかと、怪訝そうな表情を浮かべているのがTV映像で窺えた。
サッカーではショルダータックルは正当なプレー。相手を手で倒したり、後から押したりしない限り、選手と選手が球際で競り合うプレーは有効である。Jリーグの「お嬢様サッカー」では、選手同士がもつれると主審がすぐに笛を吹き、倒れた選手にファウルがもらえるので、選手同士がファイトをしない。Jリーグのぬるま湯体質が国際試合に通用しない選手をつくり出している。
Jリーグの場合、正当なタックルやチャージをファウルと判定し、アフタータックル、ホールディング、ピッキング、プッシングを見逃すので、やられた方が報復に走るため、イエローやレッドがやたらに多い。そのため主審がイエローの数を意図的に減らそうとして、ファウルに甘くなるという奇妙な傾向が最近出はじめている。
Jリーグ育ちの五輪代表が競り合いに負けるのは、簡単にファウルをもらえるという、怠慢からである。何が何でも、ボールをゴール近くに運び、シュートを打つのだ、という信念で相手とファイとする気持ちをもってプレーすれば、主審の判定は自然と「こちら側」になびく。主審を欺いてファウルをもらおうとするかのような日本選手の態度は、国際試合では主審の心証を悪くするし、観客から支持を得られない。日本人は主審を欺こうとすぐ転ぶ、という評価が国際審判の間に定着すれば、肝心なところでPKをもらえないこともある。Jリーグの主審のレベルの低さが、日本人選手をひ弱にしている。
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