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2008年07月02日(水) 再びOA枠について

サッカー北京五輪代表のオーバーエイジ(OA)枠については、MF遠藤(G大阪)一人が入ることで決着した。報道では、FW大久保(神戸)もOA枠候補として挙げられていたが、神戸側が拒否したといわれている。

神戸の大久保の五輪参加拒否の回答に対して、決定権のある反町五輪代表監督、日本サッカー協会等の関係者の対応のまずさや、クラブ側の態度に問題ありとする論評も散見されるが、筆者は当コラムにて書いたとおり、OA枠利用は反対で、予選を突破したメンバーを中心に五輪代表を選考すべきだという意見に変わりない。

繰り返すが、世界サッカーの大勢において、五輪大会に意味がないとは言わないが、あくまでも通過点の1つ。クラブがJリーグを優先するのは、プロとして自然のこと。筆者が五輪代表監督ならば、このようなドタバタの発生を予測した上で、OA枠を行使しない、と、事前に明言しただろう。各クラブには、五輪という三流大会に若手を奪われ、さらに主力を奪われてまでして、Jリーグを戦わなければならない理由がない。

そればかりではない。サッカーが団体競技である点を考慮すべきだ。サッカーでチームが勝利するためには、結束力が求められる。日本はかつて、アトランタ五輪でブラジルを破った経験がある。個の力で圧倒的に日本を上回るブラジルに勝利しえたのは、当時の五輪日本代表チームに結束力があり、さらに幸運が重なったためだ。いかなる年代においても、日本がブラジルに勝つ確率は低いが、勝った事実があるのだから、若い代表選手が北京大会においても、世界の強豪と自信を持って渉りあってほしい。OA枠を行使しないほうが、勝っても負けても、五輪代表の将来にプラスになるはずだ。


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