| 2008年06月15日(日) |
日本をリスペクトしすぎたタイのチャンウィット監督 |
サッカーW杯3次予選、日本は闘莉王、中澤佑二、中村憲剛のゴールでタイに3−0の圧勝。日本は6月の苦しいアウエー2連戦を1勝1分けで乗り切った。
気温30度超、湿度60%超という気象条件の中、日本が苦戦を強いられる、という筆者の予想は外れた。筆者が意外に感じたのは、タイの消極的作戦。タイのチャンウィット監督は、日本代表をリスペクトしすぎた。チャンウィットの作戦は、前半引いて守って日本に点を与えず、後半、スタミナの切れた日本に速攻を仕掛け、勝機を見出すというイメージだったのかもしれない。ところが、前半早々、日本に押し込まれ、セットプレーで2点を献上してしまい、計算が狂った。
後半、タイが前半見せなかったロングボールを前線に当てる作戦をとり、攻撃の形ができ始めた。前半からこういうサッカーをしていれば、日本はもっと苦戦しただろう。後半開始から15分以降、日本の動きが一段と悪くなり、中盤と最終ラインに大きなスペースができ始めた。タイが前半から攻めていれば、日本選手の体力は、もっと早く失われていたはずだ。
この試合、タイの悪い面が出た。具体的には、守備の甘さ、とりわけ、高さに弱いこと、不用意なファウル、自陣での細かいパスへの無用なこだわり等が挙げられる。ピッチを広く使い、後方から走りこむ動き、裏をとる動きを増やせば、日本のDF陣は混乱したと思う。タイのすぐれた足技は、ペナルティーエリア内のすばやいワンツー、スルーパス等で使ってこそ有効だ。スピードのない日本CBが慌ててミスをする場面も増えたに違いない。
さて、同日行われた日本と同じグループ2のバーレーン対オマーンは1−1の引き分けに終わり、この結果、日本とバーレーンの同組2位以上が確定した。最終戦を待たずに両チームの最終予選進出が決まった。日本とバーレーンは1位通過をかけ、22日に埼玉スタジアムで対戦する。とにかく、日本はアジアで10位以内を確保した。
最終予選進出を決めた国は、日本、バーレーン、ウズベキスタン、北朝鮮、韓国、サウジアラビア、オーストラリア、イランの8カ国。残り2カ国は、グループ1のカタールとイラク、グループ5のUAEとシリアが2位争いを継続しており、最終的には10カ国が最終予選に進む。
最終予選の組み合わせ抽選会は27日にクアラルンプールで行われ、10チームが2つのグループに分かれ、9月6日から来年6月17日にかけてリーグ戦を行う。各グループ上位2チームまでが、W杯本大会への出場権を得られる。3位同士はプレーオフを行い、その勝者はさらにオセアニア地区1位との大陸間プレーオフを戦って、W杯出場を目指す。
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