| 2008年06月08日(日) |
過酷な条件下、レベル低い試合内容 |
サッカーW杯アジア3次予選、灼熱のオマーン、マスカット。40℃を超える熱砂のなか、日本は辛うじて危機を脱した。試合展開はご覧とおり。日本はオマーンに先制を許したが、PKで同点。同点に追いつかれたオマーンが今度はPKを得たものの、日本のGK楢崎が止めてリードを許さず、そのままタイムアップ。日本はオマーンのミスに助けられて、勝点1をゲット。単独2位をキープした。内容的には負け試合。勝点1はラッキーだった。日本はW杯予選に限れば、幸運に恵まれている。勝負の女神が「ドーハの悲劇」の埋め合わせをしてくれているのかもしれない。
40℃を超える気温の中でサッカーをやるということがいいのか悪いのか――この議論は別として、日本はアジアの3次予選レベルでも、アウエーでは簡単に勝てなくなった。バンコクでもアウエーの洗礼が続くだろう。
ホームの利を生かして攻勢をとったオマーンが勝ちきれなかったのはなぜか。筆者は日本とオマーンの差を、プロフェッショナルフットボール運営の期間の差、選手の経験の差、国民のサッカー体験の差、一言で言えば、プロフェッショナルフットボールの歴史の差だと確信している。この差は、翻って日本と南米、欧州との差に通じている。
さて、消耗戦というに相応しいこの試合――技術的、戦術的に見るべきものは何もない。サッカーが体力と忍耐力に還元されただけの試合。曖昧な主審の判定、理解を超えた暴力による退場・・・アジアのサッカーの質を向上させるためには、選手のパフォーマンスを上げる仕組みをつくらなければだめだ。こんな試合がW杯予選であることが悲しい。
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