| 2008年06月01日(日) |
日本はオマーンに勝てないかもしれない。 |
明日、アジア地区第3次予選、日本代表の正念場――6月決戦がホームのオマーン戦によって火ぶたがきられる。
筆者は残念ながら、オマーン代表の実力が分からない。名前を知っているのは、監督は元ウルグアイ代表のフリオ・セザール・リバス、主力選手では、俊足のFWエマド・アルホスニと、イングランドの名門ボルトンで今季スタメンに定着したGKアリ・アルハブシくらい。
これまで日本はオマーンに負けていないが、勝ちはいずれも日本の辛勝。結果的に日本に勝利が転がったが、日本が負けてもおかしくない内容の試合があった。つまり、日本はオマーンを得意としているわけではない。
リバス監督は、選手たちにはまずもって、日本の攻撃を封じる作戦を伝授するだろう。予選で格上の日本が相手ならば、アウエーの引分は勝ちに等しい。
勝敗は神のみぞ知るところ。相手を知らない以上、予想はできない。せめてもの想像力を働かせて明日の試合展開に思いをはせてみると・・・日本が相当苦戦するのではないか・・・その根拠というほどの分析ではないものの。
岡田が代表監督に就任してから、日本代表は南米勢と親善試合で2試合戦って、いずれも得点を上げられなかった。最初の試合(08.01.26)の相手はチリ代表で、来日したチームはチリ国内の若手で構成されていたという。試合の一週間前には来日し、アウエーとはいえコンディションを調整して日本戦に臨んだらしい。2試合目(08.05.27)が先のパラグアイ戦で、パラグアイはコートジボワール戦から中4日間あけて日本戦に臨んでいて、これまたアウエーとはいえ、中1日の日本よりは余裕があった。
チリ、パラグアイの南米勢に共通しているのは、守備に対する意識の強さだった。肝心なところではゆっくりボールを持たせてくれない。中心選手に対しては、複数人でつぶしにかかる。それでも、イエローは2、3枚出るかでないかで、Jリーグの試合よりは少ない。
チリ戦で点が取れなかったので、日本代表のFW陣に対する風当たりは強くなった。チリ戦の先発FWは、先のアジア杯でいい動きを見せた高原と巻の2トップ、大久保、矢野が控えで、4人のFWが出場したが無得点だった。この試合では無得点だったものの、当時は高原に対する強い期待があった。
パラグアイ戦では、巻の1トップだったが、巻が仕事をする場面はなかったし、後半交代で出場した高原は相変わらず不調で得点の雰囲気すらなかった。(今回、高原は代表から外れたが)
オマーンは事前に韓国合宿をはり周到な準備をして来日している。時差ぼけ、長旅の疲労はない。もちろんアウエーだから、ホームのように体は動かないだろうが、キリン杯のように来日2日目で試合をするような親善試合とは違う。日本代表が直近の南米勢と戦った2試合で無得点という結果を考慮すると、いまの日本代表の攻撃力は、ホームであっても、オマーンからは簡単に得点が奪えないと考えていい。
逆に、オマーンが自陣に引いて専守防衛に徹するようであれば、日本に勝機が出てくる。オマーンのリバス監督は南米ウルグアイ人だから、日本代表が無得点に終わった南米勢のチリ戦、パラグアイ戦のVTRくらいは見ているだろう。筆者はだから、オマーンは引いて守ることはなく、序盤から日本に強いプレスをかけて、ボールを奪いにくるに違いないと思っている。さらに、中東勢の深いタックル、イエローすれすれすれの強い当たりで日本の中盤に脅威を与えると思う。中村俊が削られる可能性も高い。
そこで、日本代表が精神的にびびって、中盤の選手がボールを後ろに回して無用なポゼッションに入れば、オマーンのペースとなる。相手のプレスを恐れず、速いパス、ワンツーなどで相手をはずすことができれば、日本に得点が生まれる可能性もあるが、チリ、パラグアイ相手ではできなかった。
日本がポゼッションに入り、だらだらと時間を浪費していても、サッカーだから、相手のミスもあり、1度か2度くらいのチャンスはあるだろうが、英国プレミア・ボルトンの正GKアリ・アルハブシがファインセーブでピンチを救う。結局、日本は相手のプレッシャーに負けて仕事ができず、スコアレスドローで終わる・・・
というのが筆者の想像だ。もちろん、この想像が外れることを祈っているのだけれど、その反面、ドローで岡田の進退問題が浮上してくれることを望んでいるのも事実。岡田の更迭が早まれば、再び、南アフリカ行きの希望がわいてくる。
|