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2008年05月17日(土) 代表の季節

Jリーグは第13節を概ね終えて、およそ1月間中断。5月後半から6月は、W杯予選を中心とした「代表の季節」。石原慎太郎(現東京都知事)の処女作は『太陽の季節』。

まずは、W杯アジア地区第3次予選のための調整試合であるキリン杯・2試合(コートジボワール、パラグアイ)が組まれており、発表された、キリン杯に臨む日本代表選手は以下のとおり。

▽GK 川口能活(磐田)楢崎正剛(名古屋)川島永嗣(川崎F)

▽DF 寺田周平(川崎F)中沢佑二(横浜)田中マルクス闘莉王(浦和)駒野友一(磐田)阿部勇樹(浦和)井川祐輔(川崎F)長友佑都(東京)安田理大(G大阪)内田篤人(鹿島)

▽MF 中村俊輔(セルティック)遠藤保仁(G大阪)中村憲剛(川崎F)松井大輔(ルマン)鈴木啓太(浦和)山瀬功治(横浜)今野泰幸(東京)長谷部誠(ボルフスブルク)香川真司(C大阪)

▽FW 高原直泰(浦和)玉田圭司(名古屋)巻誠一郎(千葉)前田遼一(磐田)大久保嘉人(神戸)矢野貴章(新潟)

一番のサプライズは、DFに川崎の寺田周平、井川祐輔が初招集されたことだ。Jリーグ第13節までの川崎の失点は20で、磐田と並んでワースト4だ。ワースト1〜2は、17位の札幌と最下位の千葉。

もちろん失点の責任がCBにだけあるわけではないけれど、ワースト4のCBを2名とも召集する根拠は何だろうか。寺田・井川の特徴は身長が高いこと。まさか、代表練習で行うフリーキックの「壁専門」というわけではないだろうが、筆者は2人の選考理由を岡田に直接聞いてみたい。以前書いたけれど、後ろに高いDF、前に代表クラスの外国人FWというのが、J2のチームがJ1に昇格する近道。オレ流・岡田、「気分はJ2」というわけか。

二番目のサプライズというか、サプライズとは言わないのかもしれないが、FWに高原直泰が召集されたこと。第13節の浦和vsガンバ戦(浦和の2得点は梅崎とエジミユソン)、でも、高原はまったくいいところがなかった。筆者が心配なのは、その弱さだ。アジアを代表するFWとして、最も身近な比較対象となるのが川崎のチョンテセ(北朝鮮代表)。チョンと高原を比べると、ポスト役として安定性、強さでチョンのほうが圧倒的に優れている。チョンはなかなか倒されない。一方の高原はバイタルエリアでコロコロ倒されてしまう。アジアに限らず世界の国際主審はJリーグの国際主審より接触プレーに寛容だから、ファウルももらえない。

高原は、Jリーグ復帰後13試合を経過したが、まったく調子が上がってこない。Jリーグにやってきた新外国人選手は、概ね10試合前後経過したところで活躍しだした。実力があれば、それくらいが普通だろう。高原の不調は、ケガ、故障、病気に起因しているはず。筆者が代表監督ならば、高原の体調を詳しく調査する。その結果、少しでも不安材料が認められたなら、キリン杯は休養させる。

さて、海外組の中村俊輔(セルティック)松井大輔(ルマン)長谷部誠(ボルフスブルク)の3人を呼んだからには、試合で使わなければ意味がない。短期間の練習で精度の高いコンビネーションを完成できるのか。まさに、岡田の代表監督としての力量が問われる――といいたいところだけれど、来日するアフリカの強豪コートジボワールだが、ドログバをはじめとする欧州組はどうせ日本遠征には不参加だろうし、パラグアイもサンタクルスは来ないだろう。どちらも遠征参加の「代表」選手のモチベーションも高くないだろう。アフリカ、南米の「強豪」とはラベルばかりで、中身は二流の「代表」選手が詰まっている相手だ。ホームの親善試合(練習試合)だから、絶対に勝たなければいけないというよりも、勝ってあたりまえだ。海外組を融和して、偽ブランドを粉砕(いい内容で勝利)してもらいたいものだ。


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