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2008年03月16日(日) 衝撃

Jリーグ開幕直後の第2節、サッカー界に衝撃が走った。昨年、ACLを制覇し、クラブW杯に出場した浦和のホルガー・オジェック監督が解任されたのだ。

浦和については何度も当コラムで書いてきた。今シーズンは主砲のワシントン、小野、長谷部が去り、代わりに、ドイツから高原、新潟からエジミウソン、オーストリアから三都主、大分から梅崎を入団させた。昨シーズン後半故障したポンテの回復には時間がかかりそうだったが、戦力的にはJリーグでトップクラスであることは疑いようがなかった。

ところが、開幕戦で横浜に0−1、第2節では名古屋に0−2と、2試合連続の完封負け。2試合とも内容は悪かった。無得点が示すように、浦和の敗因は攻撃陣にある。いうまでもなく、ワシントン放出が、今シーズンの浦和不調の最大の要因である。

もちろん、期待されて入団した高原の調子が悪い。高原、エジミウソン、山田の前列3人のコンビネーションも最悪だ。この関係については、直前の当コラムに書いたので詳述しないが、ポンテの代役に山田を起用したことがまず間違い。ポンテの代わりは梅崎でなければならない。

そのうえで、FWはエジミウソン、高原で固定し、2人の基本的な役割をはっきりさせる。高原は代表として東アジア選手権に出場すべきなのに、代表を辞退して浦和に残ってチーム練習に専念した。にもかかわらず、2試合のパフォーマンスは極めて悪い。彼は体調異変もしくは病気の可能性が高い。ならば、高原を降ろして永井もしくは田中を先発に起用する決断が必要だった。名古屋戦の後半、高原交代後、浦和の攻撃にリズムが出たのがそのことを実証している。浦和にリズムがでかかったとき、GKの凡プレーが出て名古屋に追加点を与えてしまったことは皮肉だったが。

名古屋戦ではCBトゥーリオが故障し、代役に阿部を入れた。筆者は、阿部のCB起用については、オシム時代から反対してきた。阿部が最強のポリバレントプレイヤーであることを認めても、阿部のCBは無理筋だと思っている。浦和ならば、阿部・鈴木のダブルボランチをいじる必要はない。

結論を言えば、浦和は厚い選手層をうまく利用していないのだ。ポンテが故障ならば、代役として梅崎を起用する、トゥーリオがだめなら堀ノ内を入れる、高原がだめなら永井を入れる・・・控えにもチャンスを与えて、全員で戦いながら、最強のクラブをつくっていくべきだった。

オジェック解任の理由の1つとして、一部主力選手の反発が挙がっている。昨シーズン、得点源として最も貢献度が高かったワシントンも、オジェックに批判的だった。クラブ幹部には、ワシントンをとるかオジェックをとるか――という選択を迫られ、オジェックをとった。そして、ワシントンの穴を高原、エジミウソンで埋めようとしたが、開幕2試合では、攻撃の方向性が見えなかったというわけだ。ワシントン放出がオジェック主導で敢行されたことは間違いない。ワシントン放出で結果が出なければオジェックがその責任をとるのは当然というわけだ。

なお、ワシントンが移籍先のフルミネンセから浦和に戻る可能性はないとはいえない。


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