Sports Enthusiast_1

2008年02月06日(水) 終わってみれば

日本がタイに4−1で圧勝した。だが、前半はタイに苦しめられっぱなしだった。FKで先制したものの、直後にクリーンシュートで追いつかれた。重い空気がスタジアムを覆った。

同点で折り返した後半、ゴール前のこぼれ球を大久保が押し込んでリードを奪った。この得点で日本は危機から脱したといえる。すべてに幸運な得点だった。

その後、タイに退場者が出た。日本はタイの心身のバランスの崩れに乗じ得点を重ね、終わってみれば4点とった。得点分布としては、先制点=遠藤のFK(前半20分)、勝ち越し点=先述の通り(後半9分)、3点目=セットプレーから中澤の頭(後半21分)、4点目=セットプレーから巻の頭(後半ロスタイム)。後半の勝ち越し後は、タイの自滅に近い。

心配なのは、右SBの内田。内田は試合全般を通じてほぼフリーだった。にもかかわらず、センタリング、クロスボール、パスの精度が低い。前半の苦戦の要因の1つだ。もう一人は、FWの高原。筆者は以前から、高原はポストプレーがうまくないと思っていたし、当コラムでもそう書いてきた。この試合でも、ボールが収まらない。トップに収まって左右に展開できれば、ゴールに近い位置に速いセンタリングが戻ってくるので得点の確率は高くなる。高原・巻の2トップで、巻がポストプレーを担当するしかないかもしれない。

戦術面ではシステム上の心配だ。3次予選のヤマは6月だと言われている。6月の中東・日本は蒸し暑い。その中で、岡田ジャパンの<4−〔1−2−1〕−2>の中盤ダイヤモンドがDFとしてうまく機能するのだろうか。守備に入ったときに、4人の距離が離れすぎるとブロックが崩れ、危険度が増す。ボールへの寄せが遅くなるのはスタミナが切れる後半、もしくは、試合中のアクシデントによって生じる、精神の空白の瞬間だ。タイの同点弾は、日本守備陣の中央部分がすっぽり空いた状態で放たれたミドルシュートによるものだった。日本選手が先制点で緊張が緩んだときだった。

厳寒の日本ホームの初戦は、タイにとって厳しかったようだが、タイのホームであれば、タイはもっとアグレッシブな展開を志向したに違いない。日本の中盤が、タイ・中東勢(バーレーン、オマーン)の攻勢に耐えられれば、3次予選は通過できる。


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