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2007年12月16日(日) アフリカの壁(その2)

浦和がエトワールサヘル(チュニジア)にPK戦で勝利した結果、南米、北中米、オセアニア、アフリカ、欧州、アジアの6地域の代表クラブ大会で3位に入った。この結果を受けて浦和が世界第3位と浮かれるYグループ系中継のコメントは論外として、日本サッカーの課題があぶりだされた試合内容だったように思う。サヘルを応援した筆者としては、誠に残念な結果に終わったけれど・・・

浦和の2失点はDF坪井、GK都築のミス。世界レベルでは、ゴール付近でDF、GKがミスをすれば必ず失点につながる。日本サッカーに欠ける厳しさが浦和苦戦の主因であった。一方、浦和の2得点はいずれもワシントンの頭で上げたもの。1点目は、左サイドの相馬が相手DFのミスでフリーとなって絶好のクロスを上げ、ワシントンが合わせた。サヘル側にすれば、ミスが失点につながったことになる。2得点目はFKから。ワシントンはブラジル代表の実力者。今年の浦和の躍進は、攻撃ではワシントン、ポンテのブラジル人に負うところが大きかった。ワシントンはブラジルに帰国(フルミネンセ入り)することが決まっている。

さて、前のコラムで指摘したアフリカ勢の実力だが、浦和とサヘルの実力差はあまりないように思えたが、攻撃する時間帯の集中力、組織力で、サヘルの方が浦和を上回っていた。浦和の攻撃は、サイド、中盤からワシントンに任せる形しかない。よくも悪くも「ワシントン頼み」。鈴木の運動量、阿部を中心とした守備がサヘルの攻撃に耐え、PK戦までもつれた。PK戦になれば、開催国の優位性がモノをいう。

今大会では北中米が負けたが、結局のところ、欧州及び南米と、それ以外の地域との実力差は開いたままだ。この先、身体能力の高いアフリカ勢がアジアとの差を広げる可能性は高いが、日本を中心としたアジアが組織力、俊敏性、スピード等でアフリカ勢を上回れば、W杯グループリーグでアフリカ勢を相手に勝点3を上げる可能性はないとはいえない。

日本サッカーがアジアそしてアフリカで勝ちきる戦略・戦術は見つかっていないし、方法論に従った強化策が継続しているとも思えない。来シーズン以降、ワシントン(外国人)頼みの攻撃から浦和が脱却できるのだろうか。


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tram