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2007年11月15日(木) 「浦和モデル」が日本中に敷衍する

サッカーのアジア・チャンピオンズリーグ(CL)決勝第2戦で、浦和がセパハン(イラン)に2−0で快勝し、2戦合計3−1として初のアジアクラブ王者に輝いた。

敗れたセパハンは、1−1で引分けた7日のホーム戦のときの迫力に欠けていた。浦和がアウェーでの第1戦、強いセパハンとなんとか引分けたことが、しかもアウエーゴールを上げたことが、この勝利に結びついた。

現行のアジアCL制度開始以来、日本のクラブがなし得なかった優勝を浦和が成し遂げたわけで、浦和の「強さ」が証明された。豊富な資金力、厚い選手層、強力なサポーターの存在、サポーター及びクラブのフロントを含めた総合的な支援システム・・・が優勝の背景にはある。優勝するにふさわしいクラブがまさに優勝したことで、日本を含めたアジアのサッカー界に良い影響を与えることは間違いない。

さて、筆者は浦和市民ではないし、浦和のサポーターでない。サッカーチームとしては浦和をむしろ好まない。浦和は強いけれど、筆者の望むサッカーをしていない。

それはともかくとして、浦和の優勝は、浦和レッズを応援した浦和市民のものであって、日本国民のものではない。このことがサッカーでは重要。かつて、ヴェルディ川崎が読売ヴェルディという名称に固執し、地域性を無視した全国ブランドを志向し、川淵キャプテン(当時)と対立したことがあった。読売はヴェルディを「巨人」にしたかったのだけれど、川淵氏に阻まれた。以来、プロ野球においても、北海道(日ハムファイターズ)、仙台(楽天イーグルス)、福岡(ソフトバンクホークス)といったフランチャイズ制度が確立し始め、巨人(読売)の凋落が目立ってきた。

浦和がアジアCLを制したことで、プロスポーツと地域の結びつきはますます強くなる。浦和が日本で開催される「クラブ世界一」で世界のビッグクラブと試合をして勝てば、浦和レッズが確立した「浦和モデル」が日本のプロスポーツの範として定着する。その一方で、読売が確立した「巨人モデル」がいよいよ凋落傾向を示すに違いない。「浦和モデル」の敷衍こそを、筆者は待ち望んでいた。その意味で、がんばれ、浦和!なのである。


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