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2007年10月06日(土) だんだん悪くなる松坂

ポストシーズンの対エンジェルス第2戦に松坂が先発。4回2/3、 打者24人、球数96、被安打7、奪三振3、与四死球3、失点3、自責点3で途中降板した。

試合はレッドソックスがサヨナラ勝ちをして松坂に負けはつかなかったが、投球内容は悪かった。松坂の投球の組み立てとしては、あいかわらずスライダーが中心。三振とるのもスライダー、打たれるのもスライダー。スライダーでカウントを稼ぎ、また、打者によっては決め球にもした。この日は角度、曲がり具合も最悪ではない分、KO負けは免れたものの、他の球種のコントロールが悪く、全体において安定性を欠いた。

この試合程度の投球内容ならば、ポストシーズンはもちろん、来シーズンは危ない。相手は松坂のことを相当研究して、松坂の得意のスライダーにタイミングを合わせてきている。スライダーが高めにきた場合や、角度、変化が甘いと、右打者ならばパワーで引っ張られ、左翼方向に飛ばされる。松坂のこのような打たれ方は、日本ではなかった。

松坂は、スライダーが打たれるとなると、もともとチェンジアップの制球が悪く、ストレートに威力がないので、米国では3Aでも通用しない。

松坂の活路はどうしたら開けるのか。とにかくスライダーに磨きをかけるしかない。まず角度をつけること。曲がるよりも割れるイメージだ。次にコントロール。右(左)打者の外(内)角低めにきっちり投げ切れれば打たれないけれど、言うほど簡単ではない。

スライダーを主体に、投球の幅を広げるという意味で、緩急をつけることも有効だ。1人の打者に最低1球は、カーブを使う手もある。スライダー、ストレート、カーブ、チェンジアップのコンビネーションだ。

MLBで松坂が野茂の実績を上回ることは難しいように思う。彼はもともと、「つくられた」メージャーリーガーなのだ。彼がMLBに移籍することが決まったとき莫大な移籍金が発生したが、筆者にはその根拠が理解できなかった。松坂がMLBで大活躍できる優秀な投手だとは思えなかったからだ。

ルーキーイヤーで15勝は、筆者の予想を上回ったが、防御率をみれば、彼は「並外れた」投手でないことがわかる。何度も書くことだけれど、来シーズンは松坂にとって、厳しい年になる。1年間ローテーションを守り、2年連続で10勝以上を上げられれば御の字だ。





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