Sports Enthusiast_1

2007年09月07日(金) 阿部の代表離脱

日本代表の阿部が腰痛で欧州遠征から離脱した。阿部は、Jリーグ、アジア杯をはじめとする日本代表、アジアCL、A3杯、オールスターなどフル回転だった。日本の今夏の猛暑は、彼の体力の回復を妨げたことだろう。離脱は当然である。ここで壊れてしまったら、なんのための代表選手だかわからなくなる。目標は2010年のW杯・南アフリカ大会。予選開始までに万全に近いコンディションをつくらなければならない。

阿部は複数のポジションができること(ポリバレント)で、オシム代表監督のチーム構想に不可欠な存在だ。本職の守備的MFはもちろんのこと、かつて在籍した千葉(市原)ではトップ下、サイドをやったし、DFでは、浦和で4バックの左SB、3バックの真ん中(リベロ)、アジア杯の代表チームでは4バックのCBも経験した。

管見の限りだが、阿部の最も適性を欠くポジションは、アジア杯でやった4バックのCBではないか。浦和でやる4バックの左SBも迫力がない。彼には攻撃・得点にからむ仕事をやってもらいたい、と、筆者は思っている。

阿部不在の日本代表だが、アジア杯不参加だったトゥーリオが中澤と二人で4バックのCBを務めることになるので、大勢に影響がないように見えるかもしれないが、代表メンバーのうち、DF、MFのだれか一人が欠けたとき、阿部の存在の大きさを知ることになる。

さて、阿部のサッカーキャリアは、Jリーグの市原(千葉)→浦和で止まっている。オシム代表監督は、日本人選手が海外クラブに移籍しても、移籍しただけで試合に出なければ代表に選出しないという方針を貫いているため、日本人選手が海外クラブからのオファーに簡単に応じなくなった。もちろん、海外クラブも日本人選手に魅力を感じなくなったと言われている。

海外で塩漬け状態になっているのが、元G大阪の大黒(FW)だ。小笠原(MF)もそうだったが、彼は鹿島に復帰し日本代表に復帰する可能性がある。大黒は日本のサッカーシーンから消えたままだ。大黒もJリーグに復帰すれば、日本代表の最大の弱点であるFWとして、復帰できるかもしれない。

阿部はどうなのだろうか――彼ならば、クラブを選ばなければ、海外でレギュラーになれるのではないか。中村俊輔が所属するスコットランドリーグはもとより、それよりレベルの高いイタリア、スペイン、イングランド、ドイツでも、下位クラブならば、レギュラーになれる。阿部が海外で塩漬けになる可能性が皆無とは言わないが、「大黒状態」にはならないだろう。阿部ほどの選手ならば、海外経験があってもいい。


 < 過去  INDEX  未来 >


tram