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2007年08月22日(水) 北京五輪は赤信号

◎真夏の夜の夢(日本×カメルーン)

国際親善試合(大分)の日本vsカメルーンは、日本が2−0で勝った。アフリカ最強、格上のカメルーンに完封勝利したのだから喜んでもいい結果だけれど、カメルーンがどこまで本来の力を出したかどうかは疑問。もちろん、カメルーンが手を抜いたわけではない。力を出したくても出せなかったのではないか。この結果をもって、日本代表の実力を過信してはいけない。真夏の夜の夢くらいにしておいてちょうどいい。

カメルーン代表は苛立っていた。エトーの加地に対するファウルは悪質だし、ほかにも、肘を振ったり、アフタータックルなど、目に余る反則が目立った。コンディションが悪く、イメージどおり身体が動かなかったためだろう。

日本はトゥーリオが復帰し、中澤とCBでコンビを組んだ。これで、真ん中の守備が安定。アジア杯で不慣れなCBをやらされた阿部がやや前目に出て、攻守の要となった。前にも書いたけれど、阿部のCBは無理筋。前半25分、セットプレーでトゥーリオが頭で先取点を取るおまけまでついた。

後半、カメルーンも猛攻撃を仕掛けるが、攻めの形がなく、44分、交代出場の山瀬がダメ押しの2点目を上げて勝ちを決定づけた。コンディションの悪い「アフリカ最強」に勝っても、めでたしとはいえない。田中、大久保の新戦力は得点にからめなかった。高原、巻の先輩FWを凌ぐ戦力の証明ができたわけだはない。はっきり言えば、田中・大久保のコンビは、選択肢として成立していない。

◎あの平山が・・・(日本×ベトナム)

北京五輪最終予選の公式戦、日本はベトナムに1−0の辛勝。終盤は運動量の落ちないベトナムに追い上げられ薄氷の勝利。ホームで勝点3の最低限の仕事をしたとはいえ、内容は最悪に近かった。

問題ははっきりしている。サイドからナイスボールが何度もFW平山に集まるけれど、決められない。しかし、平山に代わるセンターFWが五輪世代に限らず、日本に見当たらないのが現実。攻撃陣の選手層が薄いことが、日本サッカーの最重要課題の1つ。

◎A代表と五輪代表が同じ日に試合をする理由がわからん

蛇足ながら、同じ日にA代表が大分で、五輪代表が東京で試合をするのは、いかがなものか。A代表と五輪代表とを掛け持ちする選手たちは、同日開催のため、国際試合を経験する機会を自動的に失った。協会が選手強化の芽を自ら摘み取ってしまったのだ。五輪予選の前にカメルーン戦が組まれていれば、たとえば、水野、家永、伊野波(ケガでベトナム戦は辞退)らは、アフリカの強豪と試合をした経験を踏まえて、五輪予選を戦う機会を得たかもしれない。誠にもったいない話だ。

近年、日本サッカー界においては、フル代表、五輪代表、Jリーグ等のスケジュール調整がまったくうまくいっていない。機能不全に陥っている。その責任はもちろん、協会トップにある。日本サッカーを強くしたいのなら、いまの協会トップは、早いところ辞めたほうがいい。


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