| 2007年08月20日(月) |
千葉、磐田の自滅に救われる |
崩壊寸前の千葉が土俵際で残った。第21節、再開後2連敗中の千葉はホームで磐田と対戦し、3−2で逆転勝ちした。勝つには勝ったものの、誉められた内容ではない。磐田の自滅――磐田のアジウソン監督の不可解な選手交代に助けられた。
磐田の先制点は、前半24分、千葉のボランチ佐藤とボックス内で競り合ってボールを奪った西のもの。その西が後半開始とともにベンチに下がった。西の危険な動きが消えたことは、千葉の不安定なDFにとって、ありがたかったのではないか。
千葉の同点は、前半37分に水野のクロスを巻が合わせたもの。磐田DFが巻をフリーにした結果だ。不注意だろう。あっけない得点、レベルの低い磐田の守備に助けられた。
1−1で並ばれた磐田が54分に茶野の頭で再び突き放す。筆者はこれで勝負が決まったと思った。ところが、磐田が66分に成岡に代えて船谷を投入。成岡は中盤で攻守に利いていたから、千葉には助かった。千葉・アマル監督は66分、足の痛い巻に代えて新居を投入。83分に千葉の佐藤が同点弾、86分に代わった新居が逆転弾を決める。
磐田アジウソン監督が西、成岡を交代させた理由は不明。報道では、ケガではなく戦術面かららしい。いずれにしても、この試合、バタバタとした落ち着きのない90分間で――このバタバタが千葉のリズムだったようだ。磐田が落ち着いて守りを固め、前がかりで来る千葉に対してカウンターを狙えば、3−1くらいで磐田が勝てたと思う。リードした磐田が、千葉のリズムに付き合ってしまった感がある。
勝つには勝った千葉だけれど、危険状態は脱していない。唯一の救いは、新加入のFWレイナウドの運動量が意外と多かったこと。柏時代よりも、守備の意識が高くなった。攻撃面ではそれ以外にプラス材料が見当たらない。
一方のマイナス材料は有り余るほどだ。その1つ目は、羽生に次いで、巻も足を痛めたこと。二点目は、千葉の攻撃が右サイド基点という偏りにあること。有効な攻撃は、右サイドの水野のクロスまたはパスというワンパターンから脱却していない。この試合に限れば、磐田の左サイドが水野に対して、あまり厳しく行かなかったから、水野がフリーでクロスやパスを繰り出せた。しかし、厳しい左サイドにかかれば、そうはいかない。三点目は、二点目の裏返しだけれど、千葉の左サイドからの攻撃が甘いこと。相手にとっては、あまり危険を感じない。千葉対策としては、右サイドをケアすれば、得点は防げる。この弱点を克服するには、左サイド・山岸の奮起に期待するしかない。彼が点を取れば、相手のマークが左右に分散する。なお、筆者の素朴な疑問として、山岸は本当に、左サイドの選手なのか――ということ。オシム日本代表監督も代表戦で山岸を左サイドで起用するけれど、筆者には、山岸の才能はほかのポジションで発揮されるような気がするのだが・・・
ところで、千葉を解雇されたストヤノフが移籍先の広島でデビューを飾った。大分戦の後半82分、リベロで出場。2−0で広島リード、残り10分という局面ながら、前線への飛び出しを2度ほど試みた。鋭い出足でしかも状況判断が良い。広島のDFは、彼の加入でレベルアップするだろう。
ストヤノフは、広島(Jリーグ)でまだまだ頑張ってほしい外国人選手。ストヤノフのような人材は、Jリーグに少ない。日本人選手は、彼から、多くを学ばなければならない段階にある。とりわけ、千葉のようにDFの弱いチームは・・・
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