| 2007年08月16日(木) |
だれが朝青龍の巡業不参加を容認したのか |
テレビを賑わしているのが朝青龍の巡業不参加問題だ。朝青龍が地方巡業に不参加だった理由は、故障だった。朝青龍側から医師の診断書の提出があり、相撲協会が認めたのだろう。ところが、当の朝青龍はモンゴルで元気にサッカーに打ち興じていた姿がビデオに収められ、テレビで放映されてしまった。
朝青龍の元気な映像から察するに、病人、けが人、故障者の姿ではない。あれだけ動けるのならば、地方巡業への参加は容易だ。あの映像を見た人は、元気な朝青龍が地方巡業を休む理由がわからない。仮病をつかってモンゴルに帰り、草サッカーで遊びほうけている、サボタージュだ、職場放棄だ、と怒ったわけだ。
相撲は国技にして神聖な格闘技であるから、相撲レスラーには人徳と人格、そして、崇高で礼儀正しい立ち居振る舞いが要求される。サボタージュとはとんでもない、国技を冒涜するものだ、という指摘は正論である。
だがまてよ、相撲協会は朝青龍の巡業不参加の申請を、医師の診断書に基づいて受理したはずだ。医師といえば国家資格者であり、これまた、崇高な職業倫理に基づき職務を全うすることが求められている。金銭のために偽造診断書を書くことは考えにくい。
ということは、相撲協会が医師の診断書なしに朝青龍の地方巡業不参加を認めたと考えるのが自然だ。つまり、今回の騒動のきっかけは、相撲協会が必要書類の審査もなく、朝青龍の申請を黙って受理したことに求められる。
もう1つの考え方は、これは医師という国家資格者が行うはずがないことなので確率としては極めて低いが、医師が偽造診断書を作成し、朝青龍に渡したことも万に1つの確率で考えられる。日本の医師がまさかそんな犯罪を犯すはずがないのだが・・・
朝青龍問題を放送するテレビ局は、問題発端のカギを握る日本相撲協会に取材をして、朝青龍の地方巡業不参加を認めた担当者とその理由を聞けばいい。診断書なしで不参加を認めたのならば、協会に非がある。相撲レスラーの管理に甘さがある。日本の普通の企業ならば、診断書の提出なしで長期休暇を認めない。診断書があれば、偽の診断書を作成した医師と偽の診断書作成を依頼した朝青龍に犯罪の可能性がある。犯罪とはいえないまでも、不正の疑いが濃い。医師及び朝青龍はなんらかの責任を取るべきだ。
繰り返すが、医師は国家資格者、相撲レスラーは日本の「国技」の当事者、相撲協会は「国技」を演じる相撲レスラーの管理者である。しかも、横綱という最高位の者、その管理者、医師(国家資格者)という本来ならば、国民の手本となるべき三者が不正、怠慢、偽造の疑いをもたれている。あきれてものも言えない。
このたびの事件は、以上の理由により、徹底解明が求められるのだが、日本のテレビ局は、ことの本質がまったく見えていない。「●●親方に、親方の責任がありますね」なんてお茶を濁している。まずもって、相撲協会に対して、朝青龍の巡業不参加を認めた理由を聞いてみたら?
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