| 2007年08月12日(日) |
アマル監督を更迭しないと・・・ |
アジア杯によるほぼ2ヶ月の中断期間が終わり、J1が再開した。筆者が注目する千葉が川崎に1−3で負けた。川崎の3得点はジュニーニョのハットトリックによるもの。
試合展開の詳細は割愛するが、大雑把に言えば、前半は千葉が勢いのあるサッカーをやり、後半、千葉の足がとまり、前からプレスが利かなくなった段階で、川崎の攻撃力が爆発したと言える。相変わらずの千葉の負けパターンだ。
しかし、この試合の千葉の試合の失い方は、選手のスタミナの問題というよりも、アマル監督の采配ミスによるものと言うべきだ。
千葉の得点の失い方を振り返ってみよう。後半の60分、千葉の羽生がケガでピッチを去りレイナウドが入ると、66分、川崎のジュニーニョがこの試合初得点を上げる、さらに、71分、千葉の水野が楽山と交代した直後の74分、ジュニーニョが得点を重ね、78分、千葉の山岸がアウトして新居が入ると、その10分後の88分、ジュニーニョが3得点目を上げている。
千葉は、選手を交代させるたびにバランスを崩し、一方の川崎は、66分、落合に代わった大橋が中村に代わってCKのキッカーを務め、ジュニーニョの1得点目を引き出した。さらに、その後も、攻撃面で全得点に絡む大活躍をした。また、村上に代わった井川が右サイドの守りをがっちりと固め、千葉の反撃を封じた。
このように、川崎は関塚監督が交代選手を送り出すごとに、交代選手がチームに貢献をし、一方の千葉はアマル監督が選手交代を行うたびに失点を重ねた。監督の手腕を問われて当然の試合だ。千葉の交代した3選手はいずれもアジア杯出場組の主力だ。羽生はケガのための交代なのだろうが、水野、山岸の交代理由は不明だ。アマル監督は、二人の疲労度が高いと判断したのだろうか。
筆者がアマル監督の選手交代に納得できない理由は、交代で出てきた選手の役割がわからない点だ。羽生のケガは別として、水野は右からの攻撃でいい働きをしていたのだから、水野を交代させるのならば、水野以上に動ける(上手いか下手かは問わない)選手を入れるべきだ。楽山はスピードでサイドから崩すタイプではない。山岸の代わりに入った新居はセンターFWタイプで、左サイドの山岸の代わりはできない。楽山、新居が入った途端、千葉のサイド攻撃は、右も左も効果的でなくなった。
羽生の交代で初出場したレイナウドは、相手に与える危険度はいまのところ未知数。レイナウドがJリーグで早いところ得点を上げれば、相手DFがマークをきつくして、巻の負担が軽くなる効果はあるだろうが、千葉の攻撃の戦術とは必ずしも資質を共有しないタイプなので、長くいるかどうかはわからない。
さて、いまの千葉の最大の問題が、3失点に表象される守備面にあることはだれの目にも明らか。ストヤノフの穴を中島が埋めていない、というよりも、中島はボランチの選手だから、CBは無理。そこまでのポリバレントが要求されるのだろうか。オシム親子はサッカーのCBをどう考えているのだろうか。
もちろん、千葉に運がなかった点は認めよう。復帰した佐藤のオーバーヘッドシュートがバーを叩いた場面を筆頭に、あと数センチ、枠をとらえそこなったシュートが数本あった。しかし、これらも確実性という面で川崎の方が千葉を上回っていたことになる。
中断期間中、千葉が補強すべきは、ストヤノフの代わりを務める守備の要だった。攻撃面では、ハースに代わるFW。ストヤノフの代わりを見つけきらず、レイナウドをつれてきたのだが、前述したように、彼がどこまでやるのかは不明だ。もちろん基本的には、選手層を厚くすることなのだが、シーズン途中でできる話ではない。
結論を言えば、千葉の最大の補強は、なによりも、アマル監督に代わる指揮官を探すことだ。中断期間中に、最大の課題である優秀なCBを補強しなかったアマル監督の責任は重い。もっとも、今シーズン、順位にこだわらずに二部落ちを覚悟で、クラブがアマルを監督として育てるというのならば、併せて、若手選手を実戦で鍛えたほうがいい。そうではなくて、残りシーズン、二部落ちの危機を脱するため、一つでも順位を上げる闘いを志向するのならば、もっとましな指揮官を据えて、現有戦力を基礎として、確実に勝利を目指す闘いをするべきだ。
クラブ責任者が早く決断しないと、千葉は間違いなく今シーズンで崩壊する。
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