Sports Enthusiast_1

2007年08月04日(土) 甲子園ビジネス

今年も甲子園大会が始まる。「アマチュア」という不当表示のもとで行われる、「甲子園ビジネス」だ。今年の春ころは「裏金疑惑」「特待生問題」で揺れていた「アマチュア野球界」だったけれど、いまの日本は、こうした問題を直視し解決するような、まともな社会構造になっていない。

いまの日本社会は、面倒くさいことが嫌われる傾向にある。一時、騒ぎ、だれかが犯人に仕立て上げられそれまで、ことの本質は隠蔽されたまま、闇に沈む。このたびの「アマチュア球界」におけるいくつかの問題は、いくつかの野球コンテンツをどこのだれが支配するのかという世俗性の中で、その本質が隠された。「アマチュア球界」の最も有力なコンテンツである「夏の甲子園大会」は、現状では朝日新聞社に属しているけれど、朝日新聞主導で形成された甲子園人気に、すべてのマスメディアがしがみついている状況なのだ。朝日を叩くよりも、甲子園にぶら下がったほうが利益になる――それが、マスメディアの計算だ。

朝日新聞というのは、いちおうは、ジャーナリズムという仮面をかぶっている。朝日は社会正義を守り諸悪と戦うという。しかし、そんな仮面を信じている人はだれもいない。

日本人は根っからの、ルーキーリーグ好きかといえば、そんなことはない。ジャーナリズムが報道するから、無意識に夏は甲子園という「好み」が形成されてしまうのだ。人間の意識が、得体の知れない“本質”にコントロールされることはない。「存在が意識を決定する」といったのはマルクスだけれど、意識を経済制度に還元することもまちがっている。フーコーははて、なんといったけか・・・


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