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2007年05月15日(火) ありゃ、松坂が3連勝か

松坂不調と書いた前回コラムに反して、あれよあれよと、松坂が3連勝してしまった。ボストンホームのタイガース戦では、甘いコースに入っているように見えて、タイガース打線が凡打を繰り返すありさま。スライダー、スプリット等の変化球の切れがTV画面で見える以上の威力を発揮していたのか。同じ変化球でも、チェンジアップは指にかからず、すっぽ抜けで高めに浮き、しかも、明らかなボールゾーンに逸れていた。チェンジアップが甘いコースに入らずに、明らかなボールとなったことも幸いだったか。

ストーレート、カットボール、スプリッターのコントロールが良く、カウントを稼ぎ、追い詰められた打者が、ストライクゾーンから微妙に外れるスライダーを打ち損じた、というのが勝因か。

前のコラムで書いたように、スライダーの中でも縦に割れるボールが有効で、ボールゾーンに大きく逸れてもタイガースの各打者は手を出していた。相手の研究が及ばない序盤戦は、縦のスライダーで勝星を稼げる。

終わってみれば9イニング、1失点、134球の完投は日本では当たり前の内容だけれど、筆者の見解では、100球前後で交代してもよかった。得点差の大きなワンサイドゲーム、完投にこだわる必要はまったくない。休めるときに休んだ方が良い。130球以上で中4日の登板は、いずれ、疲労が溜まり故障の原因につながる。広い米国を移動するMLBの長いシリーズ、松坂がこのまま勝ち続けられる保証はない。しかも、勝つには勝ったが、わだかまりが残る。特別扱いではなく、MLBのシステムに則って勝星を上積みする態勢を整えてほしい。

繰り返し強調するが、タイガース打線の打ち損じに救われたことが大きい。この試合は、紙一重の結果オーライ。タイガースの各打者のタイミングのズレなのか、バットコントロールの不具合なのか――は不明だが、いずれ研究して修正してくるはず。相手を完全に抑えるには、この試合のような複雑に変化するスライダー、スプリッター、カッターに加えて、チェンジアップのコントロールが良くなることが必要。松坂の次回登板は予断を許さない。


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tram