FIFAクラブW杯ファイナルは、下馬評を覆してインテルナショオナル(ブラジル)が1−0でバルセロナ(スペイン)を破った。インテルは代表選手ゼロの田舎チーム。報道によると、南部ブラジルはガウチョというカウボーイに代表されるタフな風土だという。インテルはその象徴で、彼らの戦いぶりを一言で言えば“ハード”に尽きる。組織的な守備、強いタックル、90分間落ちない運動量。とてもタフな彼らだが、体格は日本人とそう変わらない。
この大会、バルセロナにハンディキャップはあった。厳しいスペインリーグを戦った次の日に飛行機に乗り、翌日にはカリブ北米代表のアメリカと雨中で戦い4−0で圧勝した。そこで、がっくりと体力を落とした可能性は高い。
この大会が開催される日本は、北・南米、アフリカ、欧州から遠い。ところが、近いはずのアジア、オセアニアのクラブチャンピオンは、5位、6位だった。豪州の抜けたオセアニアはともかくとして、日本が属するアジアのクラブが世界レベルから遠く隔たっている事実をどう受け止めるか。さらに、Jリーグチャンピオンがアジア予選で敗退する現実をどう受け止めるか。
Jリーグの現状の課題は、単刀直入に言って、チーム数に選手層が見合わないことだ。J1で18チームは多すぎる。クラブ数が多いため選手間の競争が弱まり、レベルの低い選手がレギュラーになっている。日本人選手のレベルが低いため、外国人選手への依存度が高まり、外国人選手が活躍したクラブが上位に来る。浦和はブラジル系日本人2選手に元ブラジル代表のワシントン、さらに、ブラジルからドイツで活躍したポンテらが優勝の原動力となった。2位の川崎はジュニーニョ、3位のG大阪ではやはり元ブラジル代表のマグノアウベスの活躍が見逃がせない。
とにかく、Jリーグのクラブが、アジアで勝てない事実を見逃すことはできない。代表強化ばかりに目が行く日本のサッカー界だが、インテルの優勝にブラジルサッカーの底力を見ると同時に、日本サッカー界がクラブ強化の方策を構築しなければ、日本サッカーは強くならないのではないか・・・と感じた次第。
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