鹿島(ジーコ)vs千葉(オシム)=新旧日本代表監督の代理戦争といわれたナビスコ杯ファイナルは、千葉が2−0で快勝。カップ戦の頂点に立った。結果的には、“オシムイズム”が“ジーコ流”にはっきりと、引導を渡した格好となった。鹿島のアウトゥオリ監督は、この試合に進退を賭けていたというから、辞任もあり得る。オシムイズムが、昨年サンパウロを率いて世界クラブチャンピオン監督に輝いたアウトゥオリを日本で辞任に追い込んだことになる。
試合は白熱した、いい内容だった。運動量は互角、鹿島がカウンター狙いで虎視眈々と裏を狙う一方、千葉は右サイドの水野を基点に決定機を狙った。前半は鹿島有利、こばれ球を支配してポゼッションで優位に立った。鹿島がこの時間帯に点を上げられなかったのは、FWの柳沢・アレックスミネイロに切れがなかったことだ。千葉の若い力が、鹿島のベテラン二人を抑えた結果となった。この試合は、強豪・鹿島が世代交代に失敗していることを象徴した。アウトゥオリの若手起用が間に合わず、鹿島の深井、野沢、青木らの鹿島の若い選手がファイナルのプレッシャーで力を出し切れなかった。
さて、この試合の結果をもって、オシムに代表される欧州サッカーが、鹿島に代表される南米サッカーを上回ったと結論づけることなどできない。鹿島がポゼッションサッカーで、足元のパスばかり、というのも間違っている。欧州、南米を問わず、90分間走らなければサッカーは勝てない。鹿島の敗因は世代交代の失敗に尽きる。千葉だって、そういう時期がこの先、やってくる可能性もある。
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