妄言読書日記
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2009年05月12日(火) 『友情』(小)

【武者小路実篤 新潮文庫】

『百年の誤読』で散々に言われていたから逆に気になって読んでしまいました。
1ページ目から面白すぎた。
前書きにあたる自序からしておもしろいのだけれど、本編1ページ目も、

この日も彼は友人に誘われてなければ行かなかった。誘われても行かなかったかも知れない。その日は村岡の芝居が演られるので、彼はそれを読んだ時から閉口していたから。然し友達の仲田に勧められると、ふと行く気になった。それは杉子も行くと聞いたので。

なんだこのツッコミどころの多い文章は。
その後、杉子というのが仲田の妹で、写真で一度しか見たことのない相手だとわかるのですが、万事こんな感じで主人公の野島の非モテぶりが面白すぎる。
最後は最後で、恋の相談をしていた大宮という友人と杉子が結局くっつくのだけれど(それもしょうがないという感じ)それを、野島に知らせる方法はもっと穏便な方法があったのではないか・・・?と。
何もやり取りした書簡を同人誌に全部掲載しなくっても。
漱石とか鴎外の主人公だったら死んでるよ、という仕打ち。
でもなんだか、全体的に楽観的な小説でした。
それは実篤の生まれのよさもあるんでしょうか。

杉子の言い分は結局、「嫌いじゃないけど生理的に無理」というやつですね。

笑いどころがいっぱいあったのはあったけれど、それなら私は森見登美彦で充分だな、という感想。



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