妄言読書日記
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2009年04月08日(水) 『オレンジ・アンド・タール』(小)

【藤沢周 朝日新聞社】

常々、藤沢周平となんらかの関係があるのか、と気になっていたのですが、読んでみてはっきりと何の関係もないな、と思いました。

表紙が黒ずみ太郎(というわけではないが)でとてもインパクト大。

「オレンジ・アンド・タール」
目の前で友人が飛び降り自殺して以来、生きている意味がわからなくなる主人公カズキ・高1。
私はカズキはもちろん、カズキが尊敬し慕っているトモロウよりも年が上なので、どちらにもあんまり共感はしないのだけれど、そんな時代もあったなぁくらいは思う。
何もかも意味なんかねぇよってトラップにかかってしまう主人公達だけれど、青いなぁと。ま、高校生だからな。
意味なんかねぇよってそりゃ、いまだに思うんだけれど、意味がなきゃいけねぇのかよとその後に思うようになった今となっては、ただひたすら早く大人になりなと。
20歳前後に読むと、何かしら救われるのかもしれない。
ただやっぱり、お前達は刹那的過ぎるよ、と思う。
でもまあ、大人になったら大人になったでまた違う理由で死にたい気分になることいっぱいなんだけれども。

「シルバー・ビーンズ」
オレンジ〜をトモロウからの視点で語った話し。
トモロウは23歳で、父親に反発してホームレスやってるんだけれど、こちらはこちらで全く共感できない。
この二編で唯一理解できるかなぁと思ったのは、父親の秘書をやっている田村。やっぱり設定の年齢が近いからか。
嫌な大人代表として描かれているけれど、それがどうした、と私は思う。
議員秘書という役柄を演じている、それがどうした、と。
国家を語ることは愚かか。
確かに田村は大した人物じゃないだろうけれど、別にいいじゃねぇかと思う。
お前は一体何してるんだよ、と始終思いました。
みんなの前から消えた後こそ、書いて欲しかったんだけれど。

で、トモロウよ、TIMはトリオじゃないよ。



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