妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
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| 2009年01月15日(木) |
『世にも不幸なできごと2 爬虫類の部屋にきた』(小) |
【レモニー・スニケット 訳:宇佐川晶子 草思社】
爬虫類学者のモンゴメリー博士に引き取られることになった三人。 1巻のオラフ伯爵とはうってかわって、とてもいい人だったモンゴメリー博士のもとで束の間幸せだった三人ですが、それも助手に扮したオラフがやってきたことで一週間で終わってしまうという展開。
三人には不幸な出来事しか起こらないとわかっているのがある意味、最大のネタバレであり、このままいくと不幸がマンネリするんではないかと早くも危惧を覚えます。 だって最大の不幸はやっぱり、三姉弟妹がバラバラになってしまうことだったり、誰かが死んでしまったりすることだろうと思うのだけれど、そういうことは起こらなさそう。 ある程度の範囲は守った上での、不幸の連続は予想の範囲内になってしまうのがやや退屈。
しかしこの小説、子どもは楽しく読めるかもしれないけれど、大人にはこの痛切な風刺がやや痛い。 三姉弟妹以外に登場する大人は、善人はすぐ騙されたり、死んでしまうし、悪人はいつまでものさばって好き勝手に振舞う。 大人って言うのはこういう生き物なんだよ、ということを懇切丁寧に子ども達に示唆して、だから三姉弟妹みたいに自分達で考えて考えて協力するんだよって言ってるようでいて、それでも不幸になるあたりがひねくれてます。
どの辺に活路を見出して読み進めればいいのか悩ましい小説だな。 不幸を楽しめばいいのかもしれないが、三姉弟妹になんの落ち度もない以上、やっぱり幸せになるといいなぁと考えてしまうのは人情だろう。
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