妄言読書日記
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※ネタバレしています
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| 2009年01月13日(火) |
『庵堂三兄弟の聖職』『世にも不幸なできごと1 不幸のはじまり』(小) |
【真藤順丈 角川書店】
昨年のホラー大賞受賞作。 真藤順丈は割りと去年話題になったかと思いますが、選評でも言われているように怖いホラーを期待すると肩透かしです。 むしろいい話しっぽく終わって、家族愛?兄弟の絆?そんな話しにまとまっていて、そういう普通のテーマを遺体を遺品に加工する家業とか、暴力的言動やら、極度の引きこもりやらといった、不健康な設定で固めた小説でした。
悪くはないけどよくもないといった印象。 きっと作者は普通の人なんだろうなぁ、それなのにがんばって異常っぽいことを書いているというふうに感じました。 初めて読んだ真藤順丈の印象は悪い人ではなさそうだ、でした。
長男×次男で読むと楽しいと思います。物語のその後も含め。
++++++++ 【レモニー・スニケット 訳:宇佐川晶子 草思社】
あらすじから冒頭にいたるまで、ひたすらこれはハッピーエンドの物語ではないと断言し続ける、偏屈な作者。 三姉弟妹がどんどこ不幸になっていく物語りですが、児童書なのでえげつないことはあまりないです。今のところ。
これはハッピーエンドではない、不幸なものがたりなんだと主張すればするほど、作者の書きたいことが不幸ではないというように読み取れてくる。 両親を亡くし、預けられた親戚はろくでなしで子ども達をこき使い、両親の残した遺産を分捕ろうとする。 オラフ伯爵は確かにろくでなしの悪党として書かれているのだけれど、ひょっとしたら作者が本当に嫌うのは人はいいけれど頼りない、後見人のミスター・ポーや、優しいけれどころっと騙されてしまう隣人のジャスティス・ストラウスといった、無責任な善人たちのほうなんじゃないか、という気がする。 子ども達はひどいめにあうかもしれないが、実は子ども達に向ける作者の視線はとても優しい。
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