妄言読書日記
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2008年11月16日(日) 『忍びの国』(小)

【和田竜 新潮社】

『のぼうの城』に続き二作目。
マイナー路線の時代小説でいくのかなぁと思ったら、次は伊賀であれ?と思ったのだけれど、伊勢を治める信長の次男信雄vs伊賀の争いで、まあやっぱりマイナーと言える舞台。
でもそれよりも、伊賀の忍びの非道さと、浅はか具合が、新しい。
なるほど、確かにそんなもんかもしれない。

主役は伊賀一の忍びの無門。
その技は恐るべきものだが、惚れたお国には頭が上がらず、腕が立つのをいいことにあまり何事も深く考えず十二家評定衆の思惑通りに動いてしまう。
微妙に抜けた人物となっている。
だからといって、微笑ましくはないのは、「絶人の域」と呼ばれるほどのすさまじさぶりだから。
これでもう少しかしこければ、もっと活躍できるのになぁ・・・となんとも惜しい気分になる。
バカというより、やる気に欠けるのが原因か。

当時の人物や出来事を、現代人感覚で解釈、設定するところが和田竜の時代小説の特異さだと思うので、今回もまあこんなもんではないかと。
でももう一歩突き抜けてくれてもいいと思う。
一度もっと一人の人物を掘り下げて考察してみたらいかがか。

文吾(のちの五右衛門)が美形なのが終始どうにも想像できなかった・・・。



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