妄言読書日記
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※ネタバレしています
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2008年10月25日(土) 『螺鈿迷宮』(小)

【海堂尊 角川書店】

主人公は代われど、舞台は同じ桜宮市で、バチスタ、ナイチンゲールでも時々名前が登場した桜宮病院。
主人公が医学生になったため、登場人物の平均年齢が下がった印象。
中身も、ミステリーというより、青春小説、成長物の側面が強いかも。

東城大学医学部の落ちこぼれ学生、天馬大吉が主人公。
名前だけはちらっと登場した、幼馴染で記者の別宮葉子からの依頼で、桜宮病院にボランティアとして潜入することに。
ここで、噂の巌雄院長や、双子、そしてついに氷姫こと姫宮が登場。
姫宮とキャラがかぶってるなんて言ったら、田口先生に失礼なんではなかろうか・・・と思いたくなるドジっこぶり。
田口先生はもう少しできる、と思うよ?

それにしてもようやく、本来のコンビを拝めました。
普通、逆だよね。
白鳥・姫宮コンビが思った以上にしっくりしてて楽しかったです。
医者の白鳥はいよいよ、伊良部みたいでしたけど・・・。
田口先生といる時より大人しかったのはなぜだろう。それとも、普段はこれくらいなのだろうか。

以下、ややネタバレ。

桜宮家の人々のキャラがけっこう気に入っていただけに、とちゅうから真相が見えてくると、なんとかこう、どうにかなりませんかね、という気持ちにさせられた。
目次で「蝸牛炎上」とあったので半ば諦めてはいたのですが、それでもこう飄々と生き延びそうな感じがあったのになぁ。
せっかく登場したのに、登場とともに一斉に退場するなんて寂しかったです。
すみれと田口先生がどんな感じなのか見てみたかった。
田口先生にとっての氷室、みたいに天馬にとっての小百合という感じで、今後もまだ何かありそうですね。

今までの作品は、Aiを導入してれば・・・という話しだったのが、今回はAiをしっかり行った上での犯行でした。
海堂先生のフェア精神がそうさせたのか。

終末期医療を題材に、罪が罪を呼ぶ展開で、なかなか重たい話しでした。
白鳥ですら敗北を認める中、美智が不定愁訴外来にたどり着くシーンは、2ページしかないながらも救われる気持ちになります。
すみれが最後になんと言って、美智のことを託したのかが気にかかります。

天馬にはがんばって医者になってもらって、また東城大付属病院での再会を期待してます。



蒼子 |MAILHomePage

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