妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
目次|前のページ|次のページ
| 2008年08月05日(火) |
『NOW HERE』(小) |
【木原音瀬 蒼竜社ホリーノベルズ】
男前寝る相手には事欠かないゲイ(30歳)×別部署の女とも男とも付き合ったことが無い童貞(50歳)です。 です、と毎度カップリングを説明すると概ねあらすじの説明になってしまうBLっていったいなんだろう、と思わないでもないですが。
オヤジ受に追い風が吹いている、そんな気がする昨今です。ありがたいことです。
主人公の福山はなかなか嫌な奴です。 嫌な奴というか、標準的なそこらにいそうなちょっと嫌な奴なのですが、ハイスペックな人間に心底飽き飽きしている私には好ましい。 冒頭に酔っ払って記憶の無い福山の隣に仁賀奈がいて、その後ずっと仁賀奈を苦々しくイライラしながら見てて、その一挙手一投足に向ける視線も非常に容赦がなくて好きです。 今まで顔のいい若い子が好きだったのに、急に50の冴えないおっさんが家にいたらそういうリアクションが当然。 当然なんだけど、BLってなかなか相手を悪く書けないんですよねぇ。
また、一方のおっさん仁賀奈の方も、すごく可愛いおっさんというよりは、やっぱり若干イラっとくるとろくささがあって、そこを美点として書いていないのが上手いなぁと。 50歳のはずなのに、その枯れ具合は60に近いんじゃ・・・と思いましたけど。
以降ややネタバレを。
中盤以降、仁賀奈がどういうつもりでいたのかがはっきりわかり、衝撃的かつ唐突に別れが訪れて以降の、ぺしゃんこの福山がいいなぁと。 自信とかプライドはやっぱり一度ぽっきりへし折れてからがよい、というのが私の持論なので、終盤のみっともなさは痛ましいながらも好きでした。
しかしここまできっぱり振っといて、いったいどういう着地点に着くのだろうと思っていたのですが、風邪ネタできたか、と。 まあ、風邪は一種お約束ネタですからこれが出てくると、もう以降はベタ甘展開もやむなしと思ってしまう、甘い読者・・・。 この甘さがよくないとはわかっていても、お約束ネタはやっぱ好きなんだよな〜。
晴れて正式にラブラブになった二人のその後とか、仁賀奈の初体験の夜の様子とか読みたかったな〜と思います。 そういや結局、童貞は童貞のままなのね。 ナキウサギ級にレアなオッサンです。やさしくしてやって。
|