妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
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| 2008年04月28日(月) |
『永遠を旅する者 ロストオデッセイ 千年の夢』(小) |
【重松清 講談社】
ゲームの『ロストオデッセイ』をやりたいやりたいと思いつつも、Xboxごと買うにはやはり踏ん切りがつかず、本書を読むことで諦めようと思ったのだけど、読んだらやっぱりやりたい。 誰かXboxを買って!
まえがきも説明はあるのだけど、本書はロストオデッセイというゲームで主人公が見る夢を重松清が小説として書いたもの。 夢の断片ともいえる短い話しが31篇入っています。 一千年を生きることの悲しみを書くことを依頼されただけあって、哀切な話しが多い。
カイム自身のことはあまり多く語られず、カイムの視点でさまざまな場所、時代の人々が語られる。 その多くが人の死であるのは、死なないということの哀しみを描くために必要だったのだろうとわかってはいても、一気に読むとけっこうつらい。 一話一話をゆっくり読むほうがよいように思います。
時代の傍観者に徹するカイムが、時折見せる心情や、積極的にかかわろうとする瞬間が見える話しが私は好きです。 「囚われの心で」「遺影画家」「グレオ爺さんの話」「コトばあさんのパン」「はずれくじ」「ハンナの旅立ち」など。
与えられたテーマが悲しみを書くことだったからしかたがないのだけれど、千年を生きることで出会う喜びももう少し読みたかった。 あまりにカイムが哀しくて、ゲームではもう少し喜びがあるんだろうか、と余計に気になってしまう。
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