妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
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| 2008年02月16日(土) |
『100回泣くこと』(小) |
【中村航 小学館文庫】
自発的に恋愛小説を読むなんて初なんじゃないかと。
以前にアンソロジーで読んだ、中村航の話しがおもしろかったので、他の著作を適当に選んで読んでみました。 ちょうど新刊でこれがあったので撰んだのですが、愛する人との死別という、ものっすごい、オーソドックスな内容で、正直どうしようかと思った。 でも、ありきたりだからこそ、どう書くかが問われるんだろうなと。
本当に読まないから何者とも比較できないのですが、この人の書く恋人たちのエピソードはいちいち微笑ましい。 ひとつひとつ二人で確認して、堅実に歩んでいこうとする様がよいと思う。 彼女もなんだかかわいいし。 主人公の視線もそんな彼女に優しいし、それ以外のものにたいしてもとても優しい。 ガソリンスタンドの加藤さんとか、試作室の石山さんへの視線が。 そんな主人公が、終盤、工場で「こんなものを作ってなにになるんだろう」と焦燥に駆られるシーンがとても痛ましい。
私的に飼っていた犬を病気で亡くした私は、ブックのエピソードではいちいち主人公の彼女と一緒になって涙ぐんでしまう。
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