妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
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| 2007年03月15日(木) |
『さらば、荒野』『碑銘』(小) |
【北方謙三 角川文庫】
10年ぶりくらいに、ブラディ・ドールシリーズを読み進めようという気分になったので、1巻を再読。
「冬は海からやって来る。毎年、それを静かに見ていたかった。だが、友よ。人生を降りた者にも闘わねばならない時がある。虚無と一瞬の激情を秘めて、ケンタッキー・バーボンに喉を灼く男。折り合いのつかない愛に身をよじる女―――。夜。霧雨。酒場。本格ハードボイルドの幕があく!」
とまあ、長くなりましたが裏の粗筋説明にはこう書いてありました。 まさにこてこてのハードボイルド! この粗筋だけで、3分くらいは笑っていられる。 内容もこてこてですがな。
一巻はクラブブラディ・ドールの経営者・川中が主人公。 まさに、タフな男。 うーわー・・・と女の目から見ると、はた迷惑この上ない男ですが、男が惚れるタイプの男です。 前半はいまいち共感もできず、どうぞご勝手にという気分でしたが、弟を背負って必死に駆けているあたりは、なかなかいいと思いました。 必死にならないやつには興味わかないんです。
一度読んでいるにもかかわらず、覚えていたのは最後の海上での追いかけっこシーンだけでしたが。 あまりに人が死にすぎてやりきれん。
+++++++ 【北方謙三 角川文庫】
川中社長はやっぱり、第三者視点から見たほうが素敵なようです。 二作目の主人公は、少々若返りまして、社長と藤木を殺すためにN市にやってきた坂井です。 前作から1年半の時が流れたようで、藤木は社長のくどきに負けたようで、ブラディ・ドールでマネージャーに。
社長視点だった時はあまりわからなかったのですが、坂井視点になったとたん、どいつもこいつも社長が大好きということを隠そうともしなくなって、非常に笑えました。 特に藤木。 ひょっとして、今の言葉で言うとツンデレなのか、藤木。 (ちなみに舞台は携帯電話も普及していない時代です)
個人的にはこの一年で、藤木と社長の間にあった心の交流が詳しく知りたいところですよ。 全然船のことを知らなかった藤木が、ちゃっかり運転できるようにまでなってたりさ。
坂井が藤木の決意を変えさせることは無理だ、と諦めたものを、社長が一言言ったらあっさり変えちゃう藤木(いやあっさりじゃないんだろうけども)を見ていると、きっと出会った頃から藤木は社長に弱かったんだろうなぁと思う。 だから、強固に社長のスカウトを断ってたのかも。
藤木にも坂井にも長生きしてもらいたいもんです。 藤木の作るカクテル飲みたいなぁ、と思いながら、私は干し芋齧りながらブラディ・ドール読んでました。
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