妄言読書日記
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2006年08月21日(月) 『仔羊の巣』(小)

【坂木司 創元推理文庫】

ひきこもり探偵、第二作目でございます。
前作のときも散々、甘い甘いと言いましたが、今回もやっぱり甘いよ、と。
前作では結構、鳥井の内面にまで踏み込んでいたので、今回はもっと先に行くのかと思いきや、今回はその辺の話しは入ってこず、甘さが目立つ結果に。

解説で有栖川有栖氏が、鳥井には好感を持てない、という点において、特異である、というような旨を述べていますが、おそらく、女性読者はそうでもないのではないかなーと思います。
男性にとって、いきなりめんとむかって「おまえ」呼ばわりするようなやつと言うのはそれだけで虫が好かないものであるのかもしれません。
いや、もちろん女性だっていきなり「おまえ」は嫌なものですが、そういう対応をされることは男性よりもあるのではないでしょうか。
だから、じゃあ、私は鳥井はいいのか、と言えば、まあ、好きじゃないですけどもね。
それは鳥井の言葉が棘だらけだからではないです。
私は鳥井の言葉では傷つかないなぁ。きっと。
好きじゃないけど、友達にいたら愉快そうです。お料理上手だし。

「野生のチェシャ・キャット」

坂木くんの同僚の話ですが、正直、本人に聞けよ、と思います。
その辺は解説の有栖川有栖氏も言及していましたが。

「銀河鉄道を待ちながら」

なぜその推理が成り立つ!と思いつつ、なぜそんな行動に出るんだ利明と思いつつ、甘いなぁ・・・。
いろいろもろもろ。

「カキの中のサンタクロース」

どっからどう見ても、というか、客観的第三者の目から見れば、坂木と鳥井が恋人同士に見えるのは道理であり、見えないという方が少数だろうと思うんですが。
いくら鳥井がひきこもりといえ。
この話しでは、二人の間にあるのは恋愛感情ではない、あくまで特殊な友情なんだということが記されますが、逆に言えば、この二人が恋人同士ではいけない理由ってのは一体なんなんだと。
愛情じゃいけないのかい、坂木君、と思う。

三作目、果たしてどういう結末を迎えるのか。
甘い甘いと言いつつ、待とうと思います。文庫化するの。



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