妄言読書日記
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2006年03月20日(月) 『熊の場所』(小)

【舞城王太郎 講談社文庫】

タイトルとか表紙とか、帯の「あなたの熊の場所はどこですか」なんてのから、割と可愛らしい話しかと思う人多数いそう。
そして、舞城作品を何作か読んでいる私でも、かわいいのかと思ってしまった。
いつもどおりでございます。ご安心(?)を。
三篇の短編が収録されています。

「熊の場所」

熊の場所というのが何を指しているのか、が肝。
『煙か土か食い物』の時のような、そのタイトルの意味に深く納得。
タイトルにミステリ的な仕掛けがある、ということではなく、物語としてのキーワードなのです。
それにしても、猫殺し、というのはどうして他の悪事よりも、陰惨で口に出すのも厭わしく感じるものなのでしょう。
私のときも、猫を殺したという噂のあるクラスメイトがいたなぁ。
この話しのまーくんとは似ても似付きませんが。
舞城は、平気で残酷なものを書くように見えるけれど、登場人物たちはそれなりの因果応報を受けている。

「バッド男」

なんだか、どうにも悲しい気持ちになったな。

「ピコーン!」

タイトルとか文章とかから受ける印象と、実際に書かれていることの齟齬が本当に大きいよなぁ。
エピソードは荒唐無稽なんだけれど、「わたし」の心の動きは丹念で誠実だと思う。
一見してそれが分かりにくいのが、プラスなのかマイナスなのかはよくわかりませんが。



蒼子 |MAILHomePage

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