妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
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| 2005年03月01日(火) |
『The MANZAI』(小) |
【あさのあつこ カラフル文庫】
タイトルあらすじからして、『バッテリー』『NO.6』とは違った、かるーいノリなんだろうと思って読んだら、私にとってこれが一番重かった。 軽いテンポに包まれているだけに、こたえるものがありました。 歩が学校に行けなくなった経緯が、特に自分の中学生時代を思い出させて重い気分です。 私は不登校になったわけじゃないけれど、一日でも休んだらもう行けなくなるような気持ちで毎日過ごしていたなぁ。 いまだにあの頃を思い出すと気が塞ぎます。
じゃあ、この本を私が中学生の頃に読んでいたら元気付けられたかと言えば、あまりに近すぎて素直に受け止められなかったんじゃないかなぁと思う。 当時好んで読んだ本の傾向を思い出すと、まったく現実から遠く離れた話ばかりだったし。
あとがきで秋本のセリフについて、「14歳のわたしが何よりも欲していた」と書いてあったのを読んで、あさのあつこの書く児童書というのはどれも、ひょっとしたら10代の頃の自分に向けて書いているのかもしれないな、という気がします。 どれも、大人がはめようとする枠に抗う子どもたちの話であり、さらに手を引いてくれる大人が出てこないという点が共通しているように思うのですが、どうでしょうか。 特に後者の特徴は子どもが主役の話としては珍しいような気がします。
このシリーズは女の子が何人か出てきていいですね。 歩と秋本がどんなコンビになっていくのか楽しみです。カップルでもいいよ、と一応言っておく。
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