妄言読書日記
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2005年02月05日(土) 『黒猫』(小)

【ポー 訳:富士川義之 集英社文庫】

なんとなく急に読みたくなったんです。
有名どころ以外読んだことなかったですし。

「リジーア」
いまとなってはアイディアとしては目新しさのない話ばかりですが、そういう展開としての手法よりも、描き方が重要なのかな、と。
思いつつ、この饒舌さは読みにくいものがありました。
翻訳の問題もありそうですけど。


「アッシャー館の崩壊」
映像で見たら怖かろうな、と思う。
種村氏の鑑賞を読んで、ようやく館は元から崩壊していたということに気づく。
ああ、そういうことか。

「ウィリアム・ウィルソン」
これこそ、非常にありきたりな二重人格ものでして・・・
恐怖感はあまり・・・

「群集の人」
面白かったですね。
まあ、どこがどうとは言いにくいけど。

「メエルシュトレエムの底へ」
大渦って見たことないなぁ。
鳴門のとはまた違うんでしょうけど。
(ってそれだけか!)

「赤死病の仮面」
確か「赤き死の仮面」という訳もあったような。そっちのほうがかっこいいなあ。
これと「黒猫」はいつ読んでも怖くていいですね。好きです。

「黒猫」
私の記憶では前半がすっぽり抜け落ちていました。
それか何か別のものと混同していたようで、妻の大事にしていた猫を一緒に壁に埋めちゃった、だと思ってました。

「盗まれた手紙」
オチを知っている身としては、ずっとデュパンの演説が続くのが長くてね・・・。
いいから早く言えよ!みたいな。
今でいうところの推理小説ですが、ポーは推理ものとして書いていたわけではないだろうから、その過程、デュパンの思想・叡智を読むべきなんでしょうけれど。
だけどこの人のせいで、最近まで探偵とはやたら演説するものだ、と固定されたのではないか、という気がしてしまいます。

これにモルグ街が入っていれば完璧なんだけどなぁと思いました。



蒼子 |MAILHomePage

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