妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
目次|前のページ|次のページ
| 2004年12月24日(金) |
『そして、警官は奔る』(小) |
【日明恩 講談社】
前作、微笑うから、作中時間は半年が経過。 今回は、国捜隊に異動になった武本さんの話かと思いきや、蒲田署の武本さんでした。
帯「ほかのどのヒーローでもなく、私は「武本」を相棒に選ぶだろう」との、横山秀夫氏の言葉に、深くうなずきます。 やっぱり、警官なら武本さんです! 私も、潮崎くんばりに「先輩!」といってついてまわりたいです! これほどに、安定感のあるキャラクターはそうそうお目にかかりません。 この縄文杉のような揺らぎなさは、物語の主人公にあるまじきことですが、それなのに主人公として成立している。 迷い悩むばかりが、主人公のありかたではないんだと、納得します。
それでも、武本さんは悩みがないわけではないく、今回も小菅と和田という二人の全く違うタイプながら、尊敬できる刑事の間で、警察ってのは何かと迷うのですが。
今回の話は、違法滞在外国人の子どもの問題と、法律の遵守というあたりがテーマで、なかなか重めでありました。 武本さんと、新たな相棒・和田さん、そしてベテラン刑事・小菅さん、無事に試験に合格した潮崎くんが、それぞれにこの問題について考え、それぞれの結論を出していきます。 まあ、和田さんはまだ結論が出てなさそうですが。 いっぺん通りの解決が出ないところに好感です。
新キャラ、和田さんがかなり好きでした。 しばらくは、武本さんと組んでいて欲しいのですが、次の話では、また武本さんの相棒が別の人になっていそう。
白髪になるほど苦労した、潮崎くんにほろりです。 今回もラストは、潮崎くんは辛い思いをしていました。 そのけなげさにまた、ほろりです。武本さん、ちゃんと褒めてあげて!
のぞみは、なんとなく逆転裁判3に出てくる、ちなみを思い出しました。 怖い人だけど、武本さんが言うように可哀想な人、でもある。
宮田さんが出てこなかったけれど、無事にペットショップにお勤めしているようで一安心です。
次は、キャリアデビューし潮崎くんが見られるでしょうか。 今回の、潮崎くん引用は、ほとんどわかりませんでした・・・。まだまだですね。
|