妄言読書日記
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※ネタバレしています
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| 2004年12月23日(木) |
『レディ・ジョーカー』(映) |
【監督:平山秀幸 日本】
まずは真面目な感想からいきますか。
率直に申し上げると、面白くない映画です。 シーンがぶつぎれで、全くよく分かりません。 原作を知っていないと、理解するのは無理かと思われます。 また原作ファンなら楽しいかといわれれば、広い心で楽しめるファンなら観てよいと思いますが、基本的に家で観たほうがよいように思います。
原作は、犯人グループ、企業、警察、記者の4つの視点で描かれていましたが、映画化の際に記者の視点が削られました。 私はもう少し思い切って、警察サイド、つまり合田さんも削ってよかったと思います。 そして半田に合田さん的要素を持たせれば、もう少しすっきりしたんじゃないかと。 この映画に、合田さんはいらないです。 護衛役もぜんぜん意味なかったです。合田さんの部分をがっつり削って、そして半田と合田さんを足して二で割ったようなキャラを作ればよいのに。 名前も似てるし(字面だけだろ)
映画の斜陽時代は、日活が作ったんじゃないのか。そんなことを思わせる出来栄えでした。監督のセンスもあるんだかないんだか。 脚本もよくまとめたというより、ダイジェスト。原作ままをやるなら、映画にする必要はあるのか。 監督や脚本家なりの解釈が見られませんでした。そういう点では、映画マークスの方が出来はいい。 (原作読んでいないと意味が分からないという点ではどっちもどっち。マークスは原作読んでいるとより意味不明な部分があったけど)
さて、ここからはなんの参考にもならないであろう感想。
この映画に、合田さんはいらないと申し上げましたが、徳重くん演じる合田さんは、なにしろ可愛い。 よもやこんなに可愛いとは思わなかった。 そして、こんなにあの合田雄一郎が駄目刑事になるとは思いもよらなかった。 社長に直球の質問投げかけて、クビになったり、電話盗み聞きしても何もわからなかったり、病院で佳子(菅野美穂)に責められて俯いてたり。
なに、このアホの子は・・・・!!
あの切れ者で、敏い合田雄一郎はどこ!? あんた、絶対に本庁にいたなんて嘘でしょう!あの七係が勤まるはずない!! とにかく頭悪そうな合田さんでした。 だけどとても一生懸命でした。可愛かったです。 おうちに平瀬上げちゃうんだもんなぁ。びっくりだよ。 青々しい合田刑事でした。新米です、みたいな。いちいち、全ての行動がたどたどしい辺りが可愛いったらない。 セリフが棒読みの棒立ちの感じ。たまらなく可愛いです。これを褒め言葉と取るかけなしていると取るかはご自由にどうぞ。
そして一方の、吉川演じる半田。 変態すぎ!! 前情報聞いていたけど、やっぱりあの舐めるような視線はいけません。 PG−12指定は、あの吉川半田がヤバイせいではないかともっぱらの噂です(身内で)。 最初にキャスト発表した時は、ちょっとイメージと違うなぁと思ったんですけれど、もう今となっては吉川しかいない、というくらいです。 まさか原作の妄想癖を超えるとは思わなかった。 まさかまさか、スニーカーをプレゼントしちゃうとは予想できるはずも無し。 いつサイズ調べた! もう映画館で噴出すのをこらえるのに必死。 一体どういう理由で、半田が合田さんに執着しているのか全く分からないあたりが、変態に拍車をかけています。 実にいい仕事をしていた。ファンになりそうだ。
ラストの合田vs半田は、唐突すぎておもろかった。 なんで電話ボックスじゃないんだよー! あ、合田さんが城山社長と仲良くならなかったから、電話ボックスの番号聞き出せなかったために、徳重合田はボックスを特定できなかったんだな。 だから、あんなところで刺されたのか。
城山社長のキャラが薄かったのが残念。 社長好きなんですよ。 それに合田さんと全く交流無し。ビールの試飲勧めてよ! お互い分かり合えずにお別れしてしまいました。
そして問題の、渡社長ですが、どっからどう見ても、ボス!と言いたくてなりませんでした。 あの物井は絶対に、貧乏な家に育っていませんよ。東京生まれ東京育ちです、みたいな。 もっと爺さんと呼べるような役者にして欲しかった・・・。
その他の人々は、こんなもんかなーでした。 白井がよかった。岸部一徳はああいうのやらせると、はまりますなぁ。 逆に普通の役がやれなさそうですが。 神崎一課長の出番激減で哀しかった。好きなのになぁ。
なんじゃこりゃ!?な出来栄えでしたが、愉快な映画ではありました。私的に満足です。 ちなみに公式→http://www.ladyjoker.jp/enter.html
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