妄言読書日記
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2004年11月10日(水) 『検察捜査』(小)

【中嶋博行 講談社文庫】

第40回江戸川乱歩賞受賞作、だそうです。
現役弁護士による、本邦初のリーガル・サスペンスだそうですが、そんなことはどうでもいいです。

検察のお仕事ってどんな感じなのか知りたくて読んだのですが、こんな感じなの・・・?

検察・警察・弁護士という組織間の対立、法曹界が内包する危うさ、そして検事って捜査をして、その上起訴もできると言う点で力があるんだね、ということがわかりました。
検事ってそんなに人不足なの?

内容はいかにも法曹界に身を置いている人の、観点だなというストーリー。
正直、法曹界のことがぴんとこない一般人には、なぜそこまでに危機感を覚えるのか、検察権力にこだわるのかは、上手く理解できません。
まあ、そういう世界なんだろうなぁというくらいの理解。

小説としての面白さを考えると、可もなく不可もない話だなと思います。
まずタイトルが面白そうじゃないのがいけない。そして、p22の“ボタンを押しつずけ”の誤字に面食らってしまいました。
いまどき見ないよな。こんな誤字。

主人公の女性検事は、文句の付けようもなく、普通に活発で強気なキャラでした。まあ、好きか嫌いかで言えば好きな方に入るけど、もう一ひねり欲しい。
そのもう一ひねりが、事務官の伊藤君との関係なのかもしれない。
いいんじゃないの。仲よさそうで。

どうせならやっぱり、ストレートに普通の殺人事件にしてもらった方が、最初の話としてはとっつきやすいな、というのが正直な感想です。



蒼子 |MAILHomePage

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